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シンデレラは逃げたい

と、トイレ!!!!

そうだ、閃いた、トイレ。

トイレに行きたい、そう言えば。

それから逃げる、とか色んな選択肢が広がる。

まずは、トイレだ。そうだ。そうしよう。

取りあえず、いまは時間を稼ぐことが先。


「と」


私が、声をあげたのと同時に、

彼は流れるような仕草で近くのドアを開け、繋いでいた手を離した。

ーーーーいれ。

呟いた言葉は意味を成さず、

気づいた時には、もうすでに背後でドアが閉められていた。


「なっ」


その声は意外にも自分の声じゃない。ーーーー地面が目の前に迫っていた。

腰の辺りに腕がまわる。

ぐっ、といきなりで力の加減出来なかったのか内臓が潰された。

「っ」痛すぎて声が出なかった。なんで?ボディーブロー?


これが無ければ、床に顔面ダイブしていた。でも、これは痛い。

痛いけど、たぶんワザとじゃない。むしろ助けてもらったのだろう。

でも、痛い。


「う、けっほっ、あり、がとうございます」

言葉を紡ぐのが、辛い。


「き、・・・・・・」


き?

何かを言いかけて、紫紺の瞳は揺れた。

表情がない。顔が近い。

彼は、私を支えると、視線を上げた。

上級生と思わしき人たちがこちらを見下ろしていた。

私が入ってきた事で、明らかに視線を集めていた。

注目されている。


「・・・・・・」


向けられる視線で狼の群れの中に放り込まれたのだと理解した。

居心地が悪い。

「・・・・・・」

突き刺さる視線、賑やかだった部屋の中が静まり返る。

救いを求めて。そして往生際悪く逃げ道を探す。

部屋の中には10名ほどの人数がいて、誰もがこちらを見ていた。

まるで、狼の群れの中に放り込まれた羊になった気分。

居心地が悪い、お腹痛い。


彼は私を促すと、歩き始めた。

もしかして、付いて来いってことですか?


その部屋の中には、吹き抜けとなっている二階があった。

迷いなく階段を登っていく彼についていく。

気がつくと、彼との距離が開いていた。


お、置いていかないでください。


彼と私では歩調が合わないせいか、小走りで後に続く。

やっと、追いついた。登りきった階段の先には、もう一つ部屋。

部屋の中心には、二つのソファーとテーブル。

ソファーに男がひとり、その側には大きなクマのぬいぐるみ。

そしてその向かい側に女が二人座っていた。


まだ、私たちに気付いていない。


男の後ろに、ドアがある。


逃げられるかもしれない。


ドアまでの距離は二メートル程。走れば、もしくは、鍵がかかっていなければ。

二つの、両開きの扉を見つめる。


「失礼します、連れて来ました」

肩に手を置かれる。その置かれた手が重い、重さがかかってくる・・・・小声が聞こえた。

「逃がさない、ごめんね?」

ば、バレている。


筆が遅く、大変申し訳ありません。

想像以上に読んでくださっている方がいて、震え上がっております。

アクセスが一週間に一回でもあれば嬉しい、と思いはじめたものですので・・・・

本当にありがとうございます!

感謝の気持ちを込め、一週間後になりますが、連続投稿を予定しています。


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