表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/152

結果は。―雪乃

保健室の扉から首を出して、外の様子を伺う。…………誰も、いないわね。

「雪乃、なんでそんなに警戒してるの?」

「………………決まってるでしょ。私達が一緒にいるところを見られたら………………ただでさえ、今は私達は有名人なんだし。」

「………………そんな有名人はやだなぁ。」

なんてボヤく望乃夏の左手を引いて、高等部の下駄箱に向かう。

「…………みんなまだ、授業受けてる頃かな。」

腕時計に目を落とした望乃夏がつぶやく。

「あら、今何時?」

「…………もうすぐ2時ってとこかな。」

「…………そう。ならもう開いてるわね。」

望乃夏にも靴を履かせて、急いで校門に向かう。

「………………待て、どこに行く。」

ガサリ、と庭から姿を現したのは。

「…………用務員さん。」

「………………寮ならあっちだぞ。」

「………………いえ、望乃夏が肩を怪我してるので、整形外科に行こうかと。」

「おい待て、そんなの聞いてないぞ。」

怪訝な顔をする用務員さん。

「………………あー、実はほっとした時になって初めてケガに気がついたんで………………」

望乃夏が、左手で頭をかく。

「火事場の馬鹿力か………………全く、自分の体は大切にしろよ。ほら、早く行け。」

と、校門を指し示す。

「………………ありがとうございます。一応保健室に書き置きしてあるんで。」

「ん。」

それだけ言うと、再び校門へと走る。

「………雪乃、ボクお財布にそんなに持ち合わせないんだけど…………」

「保険証は持ってる?………………私の責任だから、治療費は私が持つわよ。」

「そ、それは流石に悪いって…………」

「今はそんなの考えないで。………………あ、そこの角を曲がって。」

暫く歩くと、見慣れた看板が見える。

「あそこよ。…………良かった、今日は混んでないわ。」

ドアを開けると、ガランとした待合室が見える。…………混んでないというより、患者が居ないの間違いかしら。

「…………望乃夏、こっち来て。」

と、カウンターに望乃夏を連れていく。

「すみません、初診でお願いします。」

差し出された問診票を受け取ると、望乃夏を連れてソファに腰掛ける。

「………………望乃夏、書ける?」

望乃夏にボールペンを渡すと、恐る恐る受け取って問診票に何か書き込んで………………

「…………ごめん、代筆お願い。」

「ん、わかったわ。」

望乃夏の言った通りにサラサラと問診票に書き込んでいく。…………体重に関しては、聞き出すのに一苦労したけど。

問診票を受付に返すと、すぐに望乃夏が呼ばれて診察室に入っていく。

「じゃ、ここで待ってるわね。」


望乃夏を見送ったあと、私はソファに腰掛けてじっと望乃夏の帰りを待っていた。………………まだかしら…………と、壁の時計を睨みつける。

しばらくして、カラカラと診察室の扉が開く。

「望乃夏、どう、だった…………?」

恐る恐る聞くと、望乃夏は、

「…………骨には異常ナシ。内出血が引けば痛みも消えると思うってさ。」

「そ、そう……………」

私は、思わず脱力する。

…………心配して、損した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ