後日譚2(妻との再構築)
再構築のために二人で取り組んでいる項目の三つ目は、俺のトラウマにも関わるので、あまり言いたくないけど、ベッドでのこと。店長にされたことを聞いて俺が妻の記憶を上書きするようなことをやっている。
……分かる。なんだそりゃって。
この行動は娘が寝てしまってから、夫婦の寝室で行われる。妻がベッド中央に横になる。俺は彼女にまたがるような位置に膝立ちになる。
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
お互い真剣な表情で挨拶するところから始まる。
「ひどいことはされなかった?」
「どこからがひどいことか分からないけど、痛いこととかはなかった」
妻が店長にされたことを聞いて受け止めている。話す妻の方も辛いだろうし、聞く俺も辛い。でも、片方の秘め事にするのではなく、共有して乗り越えていく。
「両腕を上に上げて、手首をスカーフみたいので縛られました」
なんだと!? あの野郎ーーー。俺もそんなことしたことないぞ。早速俺も適当な拘束具を探す。
……いいのがなかったから、ネクタイを使うことにした。
「痛くない?」
「全然大丈夫」
妻の両腕を縛ってベッドのヘッドボードに引っ掛ける。太ももの上辺りに俺がまたがってるので、妻の自由はほぼ奪っている状態。
「それで、なにされたの?」
「シャツをたくし上げられて……胸の写真を……撮られました」
恥ずかしそうに白状する妻。俺は嫉妬心とか劣等感とか怒りとか悲しみとか色々な感情が渦巻く。
ヤツにやられたように、妻のパジャマの前のボタンを外していき、上半身をはだけさせた。妻はもぞもぞ身をねじって恥ずかしがっている。
多分、俺はおかしい。おかしくなってる。俺のナニははち切れんばかりにガチガチだった。これは「寝とられ」の発想では!? ネトラレは脳が破壊されるとか聞いた。ホントかウソか知らないけど、ヤバい。ガッチガチだ。
「他は?」
「たしか……胸を触られたと……思います」
俺は妻の胸をもみ始めた。乳房を弄び、乳首を軽く捻りあげる。たまらず妻が声を上げる。
妻は胸を持ち上げるみたいにして揉まれると反応がいいので、続けて寄せて上げるみたいにしてもみ続けた。
妻が泣きそうな顔でよがりまくる。
「こんな感じ?」
「そんなに……触られなかった……です」
こんなに恥ずかしそうにしている妻を見ると、俺もものすごく興奮する。
「じゃあ、もっと触って記憶の上書きしよう」
「もっ、もうダメ……かも……しれません」
「どういうこと?」
調子に乗って、欲望のままもみ続けると妻は身体を硬直させた。しばらくして、今度はだらりと力が抜け息が荒い。
「もしかして……?」
俺が聞くと半分涙目でコクコクと頷いた。俺が黙って見ていると小さい声で「イキました」と自白した。
「違うんです! 変態じゃありません! 元々パパに胸を揉まれると気持ちよくて……!」
そこまで言って自分が恥しい告白をしていることに気づき黙ってしまった。顔を隠したいのだけど、両腕を縛られていて動けない。これは良くない。なんか俺の新しい扉が開いてしまいそうだ。
よし、今後「いたす」ときは胸を揉む時間は長めにしよう。胸だけでイッたときの妻の顔は恥ずかしそうでめちゃくちゃかわいい。
「他は?」
「ないない! ないです!」
妻はぶんぶんと首を振った。かわいい。写真に収めたい。
「あ、胸のときは写真を撮られたんだったね」
「いやいや! 恥しいっ!」
相手は動けないんだし、あんまりいじめないようにしようかな。俺はネクタイを外してあげた。
妻は手首をさすっていたけど、跡とかは残ってなかった。でも、なにかをいいたそうだった。クレームだろうか。不満があればそれもきちんと言葉にしてもらって聞いて受け止めたい。
「今、どんなことを考えてる?」
「その……」
恥ずかしそうだ。不満を言うのをためらっているのだろう。ここはしっかり聞きたい。
「また……ときどき、ネクタイ……してください」
「……はい」
妻はネクタイプレイがお気に入りのようだ。俺もかなり興奮してる。バリエーションが増えた。ヨシとしよう。
深追いはしない。調子がいいときに1日1項目くらい。この日も「ネクタイ」の後は普通にしただけ。
これまでに乗り越えてきた項目に「ナメナメ」、「裏表同時」、「連続」、「ナメナメ2」、「ごっくん」「ホジホジ」などがある。だいぶ妻とは色々に挑戦してきた。ある意味「開発」していったかもしれない。機会があれば紹介したい。




