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後日譚(店長のその後)

 店長(もう、店長ではないが……)に一生払えない程の借金を背負わせた後は、時々奥さんから報告をもらっている。次々としんどい部署に飛ばされているようだ。

 直近は、イカの塩辛工場で機械と工場の清掃、洗浄、殺菌などをしているそうだ。掃除は普通の掃除だけど、最後の殺菌のための薬剤のニオイがすごいのだとか。昼ごはんも鼻がバカになってるから味がしないと言っていたらしい。

 店長は一人では必ずサボるし、手を抜くので職人肌の人間を上に置いて、監視させつつ、働かせ続けていると聞いた。

 この塩辛工場が海の近くなので、店長は自宅に帰れるのは週末だけなのだそう。子どもにも会えずに来る日も来る日も強面で職人肌の人から追い立てられるように働いているらしい。

 ざまぁと思うことにしている。

 

 〇●〇

 

 スーパーは店長が別のまともな人にすげ変わった。聞いた話によると、あの日弁護士事務所に来た人の社員さんの方。


 あのスーパーは家の最寄りだったので、あのままあの店長が働き続けたらやっぱり嫌だった。一度改革を始めると、不倫だけじゃなく、セクハラ、モラハラなどの問題が次々出てきて、本部は慌ててコンプライアンス(法令順守)とコーポレートガバナンス(健全な経営や社会的責任を果たすために構築する管理体制)の強化を始めた。新しい店長は色々悪いものを見てきたのでそれを反面教師に活躍しているそうだ。

 

 我々お客さんにはあまり分からないけれど、働きやすい職場になったらしい。言われてみれば、ディスプレイが華やかになったり、レジの行列が減ったり、買った物を袋に入れる棚のところのテープが補充されたり、お惣菜温めの電子レンジが2台になったり、小さいところで改善されている気がする。売上げもじわじわだが伸びていると教えてもらった。


 我が家に直接的に関係があることとして、嫁がスーパーに買い物に行くと、当時の仕事仲間の人が声をかけてくれるようになったみたいで、ちょくちょくおまけしてもらって帰ってくる。スーパーでおまけとは……? ちゃんと許可もらってのおまけだよね!?

 

 〇●〇

 

 最後に我が家。我が家は絶賛再構築中だ。最初こそギクシャクしていた感じが強かった。誤解の無いように言っておくが、まだ完全に元通りになったわけじゃない。多分、元通りにはならない。

 

 妻も最初の内はすごく遠慮しているというか、控えめというか、おどおどしていた。また俺が離婚するとか言い始めるのではないかと思っていたみたいだ。これだけかわいい妻が自信がないというのも困りものだ。妻はいつでも最高にかわいくあってほしい。

 

 不倫された夫なのだが、俺は俺で妻との信頼関係を構築していかないといけないと思っている。

 

 俺は仕事において気張り過ぎず、常識的な休暇が取れるようにしている。収入はそこそこだけど、元々浪費しない。生活に困っていることはなかった。もらった慰謝料は子どもの将来のために貯金していて、ほとんど手をつけていない。このお金については、しばらく考えたくない。

 

 妻との関係改善のために始めたことの一つは「週末のドライブ」がある。月に1回程度今まで行ったことがないところにドライブに行くことにしている。例えば、新進気鋭のデザイナーのモニュメントが置かれたビーチとか、少し離れた山の中にある明太子工場の中の明太子食べ放題のビュッフェとか、野菜が中心の道の駅など。二人でそれぞれ調べて、娘も連れて三人で出かける。この調べるところからやるのが楽しいのだ。妻が喜ぶかな、とか娘は好きなはず、とか相手のことを考えると、なにが好きかとか自然と見えてくる。お互いの理解を深めるのに効果的なようだ。

 

 二つ目は、夫婦そろって心療内科に通っている。俺は相変わらずベッドにおいてコンプレックスがあるし、妻は自分が不倫していたことに強いショックを受けていて、あの泣き続ける日々や過呼吸の状態がフラッシュバックするらしい。PTSD……いわゆる、トラウマらしい。自分の行動に軽率なところが無いか、すごくナーバスになっているみたいだ。心療内科では過去のことも話して、二人セットで見てもらっている。この辺りは一朝一夕では解決できなさそうだ。時間とお金がかかるが大事なこと。継続して取り組みたい。


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