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夜の詩  作者: くろたえ


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月の男


月には男がひとり住む


ロッキングチェアに


ゆらゆらゆらり


無数の本を読み漁る


眼下に広がる星に住む


その小さき人々の


泣いて笑ったその一生


月の男がひとり読む


神ほどに全能ではなく


人ほどに弱くなく


何者でもない


月の男はこれからも


ずっとひとりで本を読む


時には月を見るといい


満月の時はそのままに


三日月の夜は足を着けず


新月の夜は裏側で


月であなたの物語を読んでいる


あなたと共に笑っている


ロッキングチェアで


ゆらゆらゆられ



月の男はいつまでも



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― 新着の感想 ―
[一言] い、今読まれてる……!?  (・д・ = ・д・)キョロキョロ ひとりだけど、孤独ではない。 この微妙な距離感がいいですね。 『月の男』 なんとなく、くろたえさまが先日公開してらした砂漠…
[一言] 月の男に憧れました。 そんな存在になりたいなと。 ゆらゆらゆられ微笑みながら お話をゆるりと読みながら
[良い点] 『ずっとひとりで本を読む』 私か! と思って泣きそうになりました!
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