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27話

この回は短いです。


わたくしがスゥリエ侯爵邸に行ってから三日が経った。

ラウル様がエリカ嬢にぶたれるということもあったが。幸いにもラウル様のぶたれた頬はだいぶ腫れもましになっている。フィーラ公爵邸に帰った後ですぐに冷やして応急処置をしたおかげだろうか。

メイアや執事たちも心配してはいた。ラウル様はどこ吹く風だったが。

「シェリア。今日も可愛いね」

ラウル様は今日も甘い言葉を口にする。

わたくしはいちいち恥ずかしがっていたら身がもたない事を覚えたので笑いながら流す。

「ありがとうございます。ラウル様も素敵ですよ」

そう返せば、ラウル様は珍しく照れたように顔を赤らめた。

「まさか、そうくるとはね。シェリアはいつもだったらそんなことを言ってくれないし。何かあったのかい?」

「…いえ。ただ、スゥリエ侯爵邸でわたくしを庇ってくださったでしょう。その時は格好いいと思いました」

素直に言うとラウル様は目を見開いた。

そして、わたくしの結い上げていない髪をそっと撫でる。

ラウル様は無言でわたくしの髪を撫でていた。くすぐったいと思いつつも身を任せたのだった。




あれから、さらに一週間が経った。ラウル様の頬の腫れも治り元通りの日常に戻っている。

「シェリア。もう、婚約してから半年が過ぎたし。結婚式まで後四ヶ月になったね」

ラウル様がサロンにて話しかけてきた。

わたくしは紅茶を片手にそうですわねと頷いた。

「ラウル様の頬の腫れも引きましたし。ドレスや装飾品、ラルフローレン邸に持っていく荷物の整理もできています。後、来賓に出す招待状も準備ができていますわ」

「さすがに王妃教育を受けていただけあって手抜かりがないね。わたしも君みたいな婚約者がいて運がいいよ」

「ラウル様。誉めたって何にも出ませんよ」

そう言うとラウル様は苦笑する。

「まあ、そう言わずに。わたしは君の事が子供の頃から好きだったんだ。それこそ、初恋なんだから」

いきなり言われてわたくしは目を見開いた。まさか、そう返してくるとは思わなかった。顔が熱くなるのがわかる。

「…ラウル様。その。わたくしの事が初恋だったのは本当なのですか?」

「本当だよ。ただ、君は甥っ子のエリックの婚約者にすぐに決まった。それを知ってからは泣く泣く諦めたんだ」

ラウル様はそう言いながら紅茶のカップを傾けて喉を潤した。わたくしは泣く泣く諦めたという言葉に胸が傷むのがわかる。

「ラウル様。わたくしがあなたの気持ちに早く気づけていればよかったのですけど。気づけなくてごめんなさい」

頭を下げるとラウル様はふいに立ち上がった。そうして、わたくしの頭を撫でてくる。

「気にしなくていいよ。わたしも実母の頼みですぐに公爵家に養子入りしたりで忙しかったし。シェリアに告白しようとは思っていなくて。決心できたのもエリックが婚約を解消してからだったんだ」

そこまでを聞いて運命とはまあままならないものだと思う。わたくしは頭を上げるとラウル様に笑いかけた。

「わかりました。気にしないことにします。ラウル様、あなたに出会えてよかった」

そう言うとラウル様は耳や首筋をうっすらと赤くした。それを見てさらに笑ってしまったのだった。


一ヶ月が過ぎてラウル様との結婚式まで三ヶ月を切った。

その間に公爵夫人としての心構えなどをラウル様の母君、レアン様に教えていただいていた。レアン様の教え方は丁寧でかつ厳しかった。それでも、一生懸命に覚えた。ラウル様との婚約期間が終わるまで三ヶ月になる。

ラウル様は最近、キスをしたりはせずに手を繋いだり抱き締めてくる事が多い。それを不思議に思いながらも尋ねたりはせずにいた。そんなこんなで婚約期間は二ヶ月を切ろうとしていた。

わたくしの部屋の準備もできたとラウル様から教えてもらった。後は結婚式の事を考えるだけになっている。それを心待ちにするのだった。

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