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11話

ラウル様と夕日を見た後で自邸に帰ろうとした。けど、夜道は危ないからと言う事でラウル様の邸に泊まらせてもらう事になった。初めての事で緊張してしまう。

ラウル様付きの侍女が夕食をわたくしがいる客室に持ってきてくれた。

「…シェリア様。お夕食を召し上がってください。ラウル様からのお言伝です」

「ありがとう。おいしそうだわ」

お礼を言うと侍女は机の上に白パンや野菜と豆をじっくりと煮込んだスープに肉をこちらも煮込んだロールキャベツ、シーザーサラダなどを並べた。デザートには一口大に切って盛り付けたスモモがある。

フオルド王国ではスモモは大ぶりの実が成る品種もあり、今の春の季節が旬だ。わたくしは果物が好きなのでこれにはやったと喜んでしまう。

大ぶりのスモモは通常のものよりも酸味が控えめで甘味が強いのが特徴だ。わたくしはそんな事を考えながらもスプーンをまずは手に取る。

スープから食べ始めた。豆や野菜がほろほろになるまで煮込んであって口の中でとろける。これは美味しい。味は塩と胡椒、コンソメだけでシンプルにしてある。

わたくしにとっては非常に食べやすい。もともと、少食ではないのだが。何故か、今はこういうあっさり味の方が良かった。侍女はちなみに既に退出している。

白パンを取ってちぎり、スープに浸す。口に運ぶとじゅわりとスープが中に広がる。頬が落ちそうだと思いながら食事を続けたのだった。



シーザーサラダやロールキャベツもたくさんではなくちょうど食べられる量になっていて助かった。

料理長にラウル様がわたくしの好みや体調面などを伝えてくれたのだろうか。感謝しなければならない。

自邸にはラウル様がわたくしが泊まるからと手紙を届けてくれたらしい。何から何までお世話になりっぱなしだ。わたくしはそう思いながらもデザートのスモモをフォークで口に運び、舌鼓をうった。

美味しい。素直にそう思える。少しの酸味と甘味が程よい。このスモモはもしかしたら、ラルフローレン公爵家の領地で採れたものだろうか。

明日になったら侍女に聞いてみよう。そう決めた。わたくしはスモモを食べ終えるとふうとソファに凭れかかった。もう、お腹いっぱいだ。湯浴みは夕食前に済ませている。

うとうとと眠気が押し寄せてきた。そんな時にドアをノックする音がした。

「…シェリア様。食器を下げに来たのですけど」

「あ、はい。もう食べ終わりました。どうぞ」

「では、失礼致します」

侍女がワゴンを引きながら中に入ってきた。わたくしはフォークをデザート用のお皿に置いた。

侍女は三人で来ていて手際よくお皿やナイフ、フォークなどを片付けていく。カチャカチャと音が鳴る中で侍女は全部の食器をワゴンに乗せて丁寧にお辞儀をする。

そのまま、部屋を出ていった。わたくしはそれを見送るとまた、ソファに凭れかかった。

そのまま、瞼を閉じてしまう。心地よい眠りに落ちていったのだった。



「…シェ、リア。ねえ。シェリア!」

肩を揺さぶられて耳元で呼びかけられる。わたくしはうとうとしていて揺さぶる肩に乗せられた手をどけようとした。けど、肩をまた揺さぶられる。少し強めになってようやく瞼を開けた。

「…ん。なあに?」

「やっと、目が覚めたみたいだね。侍女がシェリアの夜の支度をしようと中に入ったら君が眠っていると言っていてね。起こすと悪いと思ったのかわたしに知らせてきたんだ。それで来たんだけど」

わたくしは思ったよりも近くにあるラウル様の顔にどきりとしてしまう。それに辺りはかなり暗い。

部屋にはランプの灯りが入れてあってそれが柔らかく照らしている。ラウル様も昼間と違って寝間着姿になっていた。

当たり前だ。既に時刻はかなり遅いらしいから。わたくしは夕食時と同じ部屋着用のワンピースのままだ。食事の後でそのまま寝いってしまったらしい。

恥ずかしい。顔が熱くなるのがわかる。

「あ、ごめんなさい。わたくしときたら…」

「気にしなくて良いよ。シェリアも疲れていたんだろう。侍女を呼ぶから寝る支度を今からするといい」

「ありがとうございます。何から何まで」

ラウル様はわたくしに寝るように言うと部屋を静かに出ていった。

後でやってきた侍女たちに寝支度を手伝ってもらい、寝室に入る。そのまま、朝までぐっすりと眠ったのだった。

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