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第6章 24H Nürburgring 9

 そしてその通り、次の週でランボルギーニ・ウラカンはピットインし、その間にKTM X-Bow GT2が抜き返し。順位は元に戻った。

「よしよし、よーし」

 と優はさらに得意げだ。他の選手にクルーも視線を交わし頷き合う。

 時間は午後4時を回った。

 トップ争いは小康状態になったが、後方集団は団子状態となり、激しく抜きつ抜かれつが繰り広げられていた。

 クラッシュもあり。リタイヤも、新たに1台。その選手も自分を見失うほど狼狽し、スタッフに付き添われながらチーム控え室に帰ってゆく。

 そうする間に、陽は落ちゆき。夕暮れ。空は茜色に染まってゆく。

 やがて、2回目のピットインのタイミングが近づく。

 Rainbow Eileenことアイリーンはクルーたちと拳を合わせ、控え室から会場へと移動する。他のチームも、同じように控え室から会場へと移動する。

 レッドブレイドでは、俊哉が次の交代選手だった。クルーたちと拳を合わせ、会場へと移動し。

 シムリグのそばで待機。余計なことは言わず、交代を待つ。

 トップ2でまずピットインしたのは、レッドブレイドのKTM X-Bow GT2。ゲーム画面からシムリグ備え付けの小型カメラの映像に画面が切り替わる。

 やや遅れてウィングタイガーのランボルギーニ・ウラカンもピットインする。

 アンディは素早い動きでシートから立ち上がり、俊哉も素早い動きを見せ、シートに腰掛け、調整し。ピットアウトする。

 というときに、フィチも素早い動きでシートから立ち上がり、アイリーンも素早い動きでシートに腰掛け、調整し、ピットアウト。

「行くぜ!」

「行くよ!」

 それぞれ声を発し気持ちを己心に注入する。ヘッドセットから、

「Go go go!」

 という監督の発破も聞こえる。

 順位は変わらず、1位レッドブレイドのX-Bow、2位はウィングタイガーのウラカン。

 交代し終えた選手は足早に控え室に戻ってゆき、クルーたちに出迎えられる。

「よーし、良い感じだ。このままぶっちりだ!」

 と優は気を吐く。アンディも笑顔で頷く。

 ウィングタイガーでは、フィチは、

「すいません、2位のままで」

 と詫びの言葉を発した。

「まあ先は長いし。アイリーンに期待しましょう」

 と、ソキョンはその肩を優しく叩いた。

 およそ100台のマシンが走っている。20キロ以上ある長いニュルブルクリンクのフルコースでも、全コースのどこかにマシンがいる、渋滞状態だ。

 プレイヤーカーは右に左に他車をかわしながらの走行だ。

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