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第6章 24H Nürburgring 7

 レッドブレイドでは優はアンディに調子の確認をする。アンディも自信満々で応えたものだった。

 X-Bowはトップを走り、ウラカンが追う。3位との差は、開きつつある。

「ちきしょう、前2台、めちゃ飛ばしてんな!」

 3位の選手が吐き捨てるように言う。なんとか食らいつきたいが、どうにも差は縮まらず。後ろも抑えねばならず。

「King sword選手、いい飛ばしっぷりです。まるでスプリントレースのように!」

「2位のSpiral K選手もよく着けており。見応えのあるトップ争いが繰り広げられています」

 と、風画流と夜香楠は実況し。その実況の通り、X-Bowとウラカンはいい感じで飛ばし、後ろを引き離していた。

 耐久レースとはいえ、やはり飛ばせる時は飛ばして、なるだけ後ろとの差を開けたいものだ。

 終盤ロングストレートを抜け、丘を越えて、また駆け上がり。メインストレート。

 トップで一周目を終えるのは、レッドブレイドのKTM X-Bow GT2。続いて、ウィングタイガーのランボルギーニ・ウラカン。

 2台で第一コーナーに飛び込み、第2コーナーも含めたシケインをクリアし、GPコースを駆け抜けバトルしてゆく。

(速い、上手い……!)

 追いかけながらフィチは舌を巻く思いだった。このKing swordことアンディは、ただ飛ばすだけではない、後ろにも目がついているかの如く、上手くウラカンの進路をふさぐ。

 フィチはアンディと直にバトルをしたことはなく、これが初めてなのだが。やはりグローバルな舞台で活躍するだけあって。なかなかに手強い。

(仕方がない)

 無理をせず、尾行することに専念する。先は長いのだ。

(思った以上にやるな……)

 アンディもSpiral Kことフィチに舌を巻く思いだった。引き離すつもりで、本気で飛ばしたのだが。引き離されず、しっかりついてくる。だからと言ってこれ以上無理をすればクラッシュの危険性もあった。

 下手なペースアップはせず、後ろの進路をふさぐことに専念する。

 控え室でクルーたちはノートPCやテレビを見据える。

 まだ2週目だから、コースはクリアだが……。

 後方でまたコースアウトがあった。幸いリタイヤまでは至らないものの、中破ダメージを受け、のろのろとコースの隅をゆくことを余儀なくされた。GPコースで。

 そのマシンのクルーたちは思わず天を仰ぎ首を横に振った。

 X-Bowとウラカンの差がやや開き、それから一定の距離を保ってレースは進んでゆく。3位以下は、引き離されてゆく。

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