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第6章 24H Nürburgring 3

「このレースは25台のプレイヤーカーと75台のAIカーのレースだと言っても差し支えないですね」

 などなど、スタートまでトークを繰り広げる。

 時間は刻々と進む。

 3時スタートだが、いきなりスタートではなく、まずフォーメーションラップがある。そこでメインストレートに戻ると、数字が表示されカウントダウンが始まり、それから、GO!の字幕が表示され。それが耐久レースのスタートとなる。

 ウィングタイガーの選手とクルーたちが肩を組み合い円陣を組んだ。幼いショーンはアレクサンドラの足に抱き着く。

「このレース勝つよ!」

「おう!」

 気合の掛け声とともに円陣を解き、拍手し、ハイタッチをし、気持ちを己心に注入する。

 レッドブレイドでも同じように円陣を組んで、気合の掛け声をし、拍手、ハイタッチで気持ちを注入する。

 スタート担当の選手、ウィングタイガーはフィチ、レッドブレイドはアンディ、控え室を出て最上階試合会場へと向かう。

 会場へ行く途中で他の選手と会う。

「いいレースをしよう」

 と、ハイタッチをしたり、拳を合わせたり、頷き合ったりする。選手と選手、ライバルであると同時に、戦友でもあった。

 フィチとアンディは隣り合って歩き、試合会場入りし、互いに頷き合ってから、シムリグに腰掛け、シート調整をして、スタンバイする。

 ゲーミングPCは起動されており、Forza Sim Racingのスタート画面になっていた。スタート画面ではクールなショールームに、使用マシンがたたずんでいる。

 ウィングタイガーはランボルギーニ・ウラカン。レッドブレイドはKTM X-Bow GT2。

 表彰式スペースには、表彰台はない、その代わりに大きなトロフィーカップが台座の上に置かれている。

 まばゆいばかりのプラチナのカップ。カップには、ニュルブルクリンクのコース図が刻まれてる。

 これが、優勝チームにのみ与えられる、ウィナーズトロフィーだ。それに加え、ゴールドメダルも授与される。

 2位、3位にはトロフィーはなく、メダル授与のみだ。

 もちろん賞金の金額も、それなりに。

 もっとも、人間のチームが勝てば、表彰台に上れば、である。

 もしAIカーが優勝、あるいは表彰台に上ることがあれば、その順位は該当なしとなり、トロフィーやメダル、賞金はお預けとなる。

 カテゴリーはGT、ツーリングカー、スポーツプロダクションの3つに分かれているが。レースの順位はカテゴリー別に分けられる。つまり人間チームはGTカテゴリーの順位で評価をされる。

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