第6章 24H Nürburgring 2
観客は正午にビル入り出来て。2階中ホールの座席に着いたり、1階レストランでくつろいだりした。
観客についても、同じようなアナウンスをし、よりよい試合運営への協力を呼びかければ。それに応じる拍手も起こった。
そろそろはじまるという、雰囲気が強まり。心弾む。
午後2時になり、動画配信サイトでのライブ配信も始まる。
「こんにちは! Vチューバ―の夜香楠と、風画流です! これより、HOM電器提供、Forza Sim Racing, Green Hell Cupの、ニュルブルクリンク24時間耐久レースのライブ配信を開始いたします!」
と、ふたり声をそろえて、ニュルブルクリンクのコース図を背景に、風画流と夜香楠のふたりのVチューバ―がまず出て、始まりの挨拶をする。
2階中ホールやチャットも、待ってましたと盛り上がる。
まず夜香楠。
「おとといのツーリングカー決勝も、好レースが繰り広げられて盛り上がりましたが」
「今日の耐久も盛り上がること、間違いなしですね!」
と、風画流。そこから夜香楠が話を継ぐ。
「さて、さっそくではありますが、予選順位に従い、参加チームの紹介をしてゆきます。1位ポールポジションは、チームレッドブレイド。マシンはKTM X-Bow GT2です」
「2位はチームウィングタイガー、マシンはランボルギーニ・ウラカンです……」
という風に、チーム紹介をしてゆく。
チーム紹介を終えると、レース概要が説明される。
「このGreen Hell Cupにおけるニュルブルクリンク24時間耐久レースは、プレイヤーカー25台の他に、同カテゴリーのGTマシン15台と、ツーリングカー30台、スポーツプロダクション30台、75台のAIカーと、計100台でレースを戦います」
と夜香楠。風画流が話を継ぐ。
「AIレベルはMAXまで引き上げられており、状況次第ではAIによる表彰台独占もありえますが。その場合でも、プレイヤーはレースでの順位により評価され。参加者の優勝なしとされます。このレースは、AIと人間との試合ともいえます」
「いやあ、こうして聞くとすごいですねえ。僕もレースゲームやりますが、MAX LEVELのAIなんか、手も足も出ず引き離されてしまいますよ、はい」
「本当に、MAX LEVELのAIに勝つのは素人には至難の業ですね。私も同じく勝てません……。本当に最近のAIの進化は目覚ましいものです」
「AIカーはどこまでプレイヤーカーに迫れるでしょうか。というより、プレイヤーはいかにAIの追撃をかわして上位に入賞出来るか、総合優勝出来るかどうか、でしょうか」




