第5章 Day4 and Day5 7
Day3のツーリングカー第1レースのトップ3だった選手、RacingBallやGhost_SimRacerに、Cyber Driverのチームも熾烈な3位争いを繰り広げていた。
観客も、チャットのギャラリーも、思い思いに観戦していた。
「予選ものこりわずかとなりました」
「ウィングタイガーとレッドブレイドが熾烈なトップ争いを繰り広げていますが。ポールポジションはどのチームが獲るのか!」
夜香楠と風画流が実況する。時計は午後4時半を回った。現在レッドブレイドがトップ。やや遅れてウィングタイガー。
両チームで最後に走るのはDragonこと龍一に、King swordことアンディ。
ちなみにウィングタイガーのタイムを叩き出したのはフィチだった。龍一はなかなかそのタイムに及ぶ走りが出来ないでいた。
King swordことアンディは4時半を回る少し前にフィチを上回るトップタイムを叩き出した。
耐久レースの場合、となり合うポジションなら最終順位に関係はないものの。やはり幸先の良いスタートは切りたいもの。
ソキョンに言われるまでもなく、龍一もアタックする。
しかし、無情にも時間は一秒、また一秒、そして一分、一分とすぎてゆき。もうすぐタイムアップの午後4時55分。
その時にランボルギーニ・ウラカンはメインストレートにいたり、スタートラインを跨いだ。が、アンディの出したタイムを上回れなかった。
予選はあくまでも午後5時まで。それ以降のタイムは無効となるレギュレーション。龍一はピットインのための周回しかできない。
「ありゃりゃ」
ソキョンは苦笑する。これにて予選2位確定だ。龍一も頑張ったが、あと一息及ばなかった。
マルタはショーンを膝にのせて頷き。フィチとカースティ、アイリーンにアレクサンドラたち、チームクルーも、頷き握手し合って、明日の決勝に向けて気持ちを切り替えていた。
ポールポジションとなったレッドブレイドは、
「よっしゃー!」
と優たちは会心のガッツポーズをして、喜びを分かち合った。
予選はあくまでも予選だが、やはり1位は嬉しいし。予選1位は1位で賞金も出る。
そしてタイムアップ。参加各車はニュルブルクリンクを周回し、ピットインしてから、ゲーム終了。
予選1位のタイムを叩き出したアンディはインタビューを受けて。
「呼んでもらったからには、貢献したかったんだ。明日勝てるように頑張るよ」
と応えた。
龍一は控え室に戻って、クルーと、「お疲れさまです」と労い合い。明日の決勝に気持ちを切り替えた。
予選を終え、撤収作業をして。ホテルに戻ると、早くの夕食を済ませ。
明日のために、早めに休んだのだった。




