第5章 Day4 and Day5 3
「あれ、あんたやってたんだ」
「まあ、少し。シムレーシングほど出来ないけどね。てか実質シムレーシングしか出来ないというか」
「ああ、わかる。オレもFPSはさっぱりだ。『ウォッチャーシューティング』のDiva使いたかったけど、ダメだった。だから、おとなしくコンテンツとして楽しんでいるよ」
と応えたのは俊哉だった。そこにアンディが話を継ぐ。
「オレも格闘ゲームの選手の友達がいるんだけど、全然歯が立たない。コマンド入力がどうも苦手でね」
「ああ、あの、『鋼鉄拳』のめっちゃうまいケニアの女の子の選手だろ」
「そうだ」
「そういやあさあ、『鋼鉄拳』のところ、『エッジレーサー』をリバイバルで出してくれないかなあ。ハンコン対追でさ」
「おおー、そうそう、賛成賛成!」
ちなみに、4人のうち一番背が高いのはアンディで185cm、次いでヤーナの178cm。雄平は175cm、俊哉は170cmだった。
ともあれ、雑談に興じながらホテルに戻らず、その周辺を気ままに4人で散策したのだった。
その他の選手やチームクルーたちも、思い思いに休日を過ごして。
Day4の日が秋のつるべ落としと早く暮れてゆくのであった。
明けてDay5。
耐久レースの予選日だ。午前8時から午後5時まで。
チームは朝食も兼ねたミーティングをホテルのレストランで済ませ、バスでビルに移動し、裏口から入り。
観客も、7時半の開場とともに会場入りする。
レッドブレイドはビル入りと同時にスポンサーから差し入れられたエナジードリンクでエナジーチャージをする。
ウィングタイガーの面々も他のエナジードリンクでエナジーチャージをする。eスポーツをはじめ、スポーツの世界においてエナジードリンクはなくてはならない存在になっていた。
シムリグにはクルーや4人の選手が集まり、まずシートの調整や、交代の手はずを確認する。
ウィングタイガーとレッドブレイドも、シムリグの周辺に集まり。まず各選手のシートの調整や、交代の手はずの確認をする。
予選はソロの単独タイムトライアルのライバルモードで行われる。このモードでは自分や他の選手のゴーストを表示させることが出来るし、ゴースト非表示にも出来る。
ぽつぽつと、走り出すマシンが出てきた。
ウィングタイガーとレッドブレイドのマシンも走り出す。
ウィングタイガーはまずRainbow Eileenことアイリーン、マシンはランボルギーニ・ウラカン。
レッドブレイドはまず俊哉、マシンはKTM X-Bow GT2。




