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第5章 Day4 and Day5 2

「そうえいば龍一、車持ってたよね」

「うん、まあ軽四だけど」

「ミライースだったね」

「うん」

「日本の軽四って、キュートで不思議で、魅力的ね。今回はだめだけと、別の機会で日本に来る時があったら、乗せてくれる? それで龍一のふるさとを案内してほしんだ」

「え、そりゃあ、いいけど」

 こっちのことを信用してくれるから、そう言ってくれるのだろうけど。女子からそう言われて、異性愛者の男として、龍一は照れを禁じえなかった。

 屈託のないカースティの面持ちは、シャイな龍一にはまぶしかった。eスポーツ選手となり、さらにこうして外国の人と知り合い、仲良くしてもらえるなんて。

 アマチュア時代には考えもしなかった。

 アマチュア時代はむしろひきこもりで、動画の配信もせず、自分のゴーストを相手にタイムトライアルしたり、AI相手のレースばかりのひとり、ぼっちゲーマーかましていたのに。

 それが今や、グローバルな活躍をするeスポーツ選手に、愛車で案内してほしいとまで言われるなんて。内心の照れを隠すのに必死だった。

「あ……」

 雄平はたまたま入ったコンビニのフードコートに龍一とカースティがいるのを見て声を掛けようとしたが、一緒にいるヤーナに、

「そっとしときな」

 と言われ。なんだそりゃと思いつつ。向こうが気付いていないうちに、素早くコンビニを出たのであった。他に紺野俊哉とアンディ・モイがいた。

 レッドブレイドの4名は、そろって外出して気晴らしの散策をしていた。

「あのふたり、付き合ってるんだよ。あたしにはわかる」

 とヤーナは自信ありげに言うが。雄平は疑問を呈す。

「マジか? そんな話聞かねえぞ」

「まあまあ、人様のプライバシーを変にかんぐるのはよくないよ」

 俊哉は社会人らしい(?)ところを見せ、諫める。

「オレもあのふたりはいい仲だと思うな。恋人でなくても、友人として」

「はは。アンディもそう思うんだね」

「ただ俊哉さんの言う通り、人のプライバシーに立ち入るのはよくない。このことは、オレたちだけのアーケイン(Arcane)にしよう」

「アーケイン?」

 俊哉が不思議そうにする。

「少数の秘密という意味さ」

「ああー、サブスクでやってるアニメかと思ったわ。そういう意味だったんだなあ」

「ああ、そうだ、まだ途中だからホテル帰ったら続き観よ!」

 と言うのは雄平だった。さらに、

「こないだガントレット使いと銃使いにコテンパンにされたから、なんかその悔しさも思い出していけねえや」

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