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第1章 The game begins 6

 幸い、龍一とフィチ、ヤーナが予選を突破し。3名で競い合ったものだった。このラリーゲームの試合では、フィチが優勝している。

 話を元に戻し。

 今日はDay1。以後のスケジュールは。

 翌日、Day2にツーリングカーの予選を2度。第1グループは午前9時から12時、第2グループは午後1時から4時まで。

 翌々日、Day3の午前9時に第1グループのレース、続いて11時に第2グループのレース。午後7時に決勝レース。

 ツーリングカー決勝翌日、Day4は休養日として1日空けて。

 その翌日、Day5、24時間耐久レースの予選が、午前8時から午後5時まで。

 その翌日、Day6、午後3時から決勝スタート。日をまたいで、ゴール時が最終日、Day7となる。

 今日の、Day1である1日目は、外国からの参加者もあることから、歓迎の日とともに、休養日とされた。

「厳正なる審査を以って参加になりますが、予選落ちはあります。1位のタイムから110%以上離れたタイムで予選落ちとなりますから、ご注意を」

 何かご質問は? と言ったとき。

「いいでしょうか?」

 と手を挙げたのはアンディだった。英語だった。どうぞと促されて、口を開く。

「確認ですが。東京オリンピックと同じように、試合前に、差別に反対する意思表示のために片膝をつく行為は、OKでしたね」

「はい。そうした主張も、東京オリンピックと同じように、試合前ならかまいませんが。試合後になされたら失格になりますので、ご注意ください」

「わかりました。お答えいただき、ありがとうございます」

 と、アンディは丁寧に会釈をして礼を述べた。

 とはいえ、失格を承知の上で意思表示をする選手もいるものだった。アンディは優に対し、そうした意思表示をしつつチームに迷惑を掛けない旨、伝えてはいた。

 ただし、単独参加だったならすると言ってもいた。が、優も余計なことは言わず、

「君の好きにすればいい」

 と、その意思を尊重した。

(すげえなあ)

 と、龍一はアンディに感心させられた。そういえば、あの時、Forza E World GPの時、カースティにアイリーン、フィチたちは試合前に差別反対の意思表示のために片膝をつく仕草を見せたのだ。その大会に参加していた元プロレーサーのカール・カイサもそうした。彼にはゲイカップルの親友がおり、ふたりの結婚を祝福しているのをSNSにアップしていた。その親友のためでもあった。

 そして、戸惑いつつも龍一も、それに続いたものだった。

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