表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】俺の『運命の赤い糸』に繋がってたのは、天敵のような女子だった件  作者: 赤金武蔵


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/243

第43話

「お待たせ致しました。こちらブラックコーヒーと、ショコラムースと紅茶のホットになります」



 俺と竜宮院の前に、注文した品が並べられる。

 そして次に、店の奥から3人の店員さんが、信じられないものを運んで来た。



「お、お待たせ致しました。スーパーコスモ級ウルトラデラックスパフェ。通称、無謀パフェでございます」

「…………デカすぎんだろ……」



 まず器からして、耐熱ボウルかと疑うほどデカい。

 そこに様々なフルーツ、クリーム、お菓子が山のように積まれていて、一見すると宝石箱のような見た目だ。

 透明の器の中までギッシリ。スポンジ、アイス、プリン、フレークなどなど。とにかく飽きさせない工夫が施されている。


 こんなものが3つ、俺達の席に運ばれてきた。

 当然目立つ。目立ちすぎる。

 ほら、あそこの女子大生なんて写真撮ってやがるぞ。

 でも気持ちはわかる。俺もついつい写真撮っちゃったし。

 こんなの、滅多にお目にかかれるもんじゃないからな。



「へいへいへーい! こいつは食いごたえがあるぜ!」

「思ったより小さいねぃ。ま、仕方ないか」



 こいつらの感覚バグってんのか。

 2人がカレー用のスプーンでがっつくように食べる。

 え、パフェってカレー用のスプーンで食べるようなもんだったっけ?

 ……まあこいつらはいい。これが2人の通常運転だからな。無視でオーケー。


 問題は梨蘭の方だ。


 無謀パフェの向こう側で、梨蘭の顔が青くなっている。

 こいつが大食いって噂も聞いたことないし、やっぱり無理してるか。



「りら……久遠寺。あんま無理すんなよ」

「む、無理なんかしないわよ。これくらい余裕よっ」



 2人と同じように、カレー用のスプーンで食べていく。

 と、急に目を見開いて興奮したように頬を紅潮させた。



「〜〜〜〜っ! おいしい……これすっごくおいしいわ!」



 どうやらお気に召したらしい。

 ペースを崩すことなく、フルーツやアイス、生クリームを食べていく。その顔はまるでオモチャを買い与えられた子供だ。


 隣に座る竜宮院も、微笑ましい目で梨蘭を見る。

 ……意外とこいつも食えるんだな。


 これなら意外と──。


 5分後。



「うえぇん……もーむりぃ……」

「いや早いわ」



 驚くべき早さの降参。俺でなきゃ見逃しちゃうね。


 無謀パフェはほとんど減っていない。というか、フルーツだけ食い尽くしやがったな、こいつ。

 あとは生クリームとアイス、プリン、スポンジ、フレークと、甘ったるくて結構きついものばかりだ。


 ペース配分も何も考えないからこうなるんだよ、全く。



「……久遠寺。食わないなら俺が貰うぞ」

「ふぇ?」

「見てたら腹減って来た。あと、せっかくのパフェを残すのも悪いしな」



 店員さんにスプーンを1本貰い、梨蘭からパフェを奪って食う。

 うっ……想像以上に甘ったるい。



「へぇ……そういうことね」

「何だよ、龍也」

「別に? 我らが暁斗君はお優しいと思ってな」



 うっせ。

 熱くなる頬を冷ますように、アイスを食べる。ぐぅっ、頭キーンッ……!



「……ぁっ。か、勝手に食べんじゃないわよ!」

「だってお前食えないだろ。なら俺が貰う」

「食べられるわよ! 食べられるもん!」



 俺の前に置かれていたパフェを自分に引き寄せ、俺達の丁度真ん中に置く。

 梨蘭は一瞬えずいたが、俺に負けじと食べ進めていった。



「ふふふ。梨蘭ちゃん、真田君。こっち向いて」

「ん?」

「何よ?」



 パシャッ。


 ……あ。写真?

 ……撮られた!?



「ちょ、璃音!?」

「いきなり撮るなよ……」

「ごめんなさいね。2人が幸せそうだったから」

「そうだよアッキー。まるでカップルみたいだったよん」

「やっぱり2人っていいコンビだよなぁ」



 ぐっ……からかうなよ、ったく。

 ほら、梨蘭だって困って──。



「あうあうあうあう……かかかかかかぷぷぷぷぷ……!?」



 訂正。困惑してるわ。



「ぅぅっ……! 真田!」

「俺にキレるな……」

「うっさい! アンタのせいだから、責任もって全部食べなさい! こ、こんなみんなの前で、1つのものを食べ合うって……! か、かっぷ……る……ううううう!」

「いだっ! ちょ、スネ蹴んなよ!?」



 てかこいつ、さり気なく全部押し付けてきやがった!

 いや、あと半分以上残ってるんだけど!?




 結局、3分の1を残してギブアップ。

 最後は寧夏に全部食ってもらった。


 やっぱり寧夏は凄い、改めてそう思った。

【評価】と【ブクマ】が済んでいないという方がいましたら、どうかお願いします!


下部の星マークで評価出来ますので!


☆☆☆☆☆→★★★★★


こうして頂くと泣いて喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] このパフェはテニスコートよりもでかいのかもしれない 翌日腹痛に悩みそう
2021/04/04 15:22 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ