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【Web版】俺の『運命の赤い糸』に繋がってたのは、天敵のような女子だった件  作者: 赤金武蔵


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第219話

 新しい短編を投稿しました!


『聖女様の裏アカと秘密の活動を知ってるのは、プロカメラマンの俺だけです。』

https://book1.adouzi.eu.org/n9576hf/


 よろしくお願いします!

 羞恥を隠すように、看板作りに没頭する振りをしつつ話題を逸らした。



「そ、それよりも。2人はコスプレはどうするか決めたのか?」

「ええ、決めたわよ。今は璃音の家に置いてもらってるわ」

「え、なんで?」

「銀杏祭までの秘密ー。その方がいいでしょ?」



 秘密……いったいどんなコスプレにしたんだろう。気になる。

 梨蘭ならどんなコスプレでも似合いそうだけどなぁ。



「ふふ。暁斗君、梨蘭ちゃんのコスプレ、凄いわよ?」

「なんだって?」

「もう破壊力抜群よ。とんでもないんだから」



 なんと!? くっ、それは是非とも早く見たい……!



「隠し撮りした写真があるわ。今ならワンコインで1枚。サービスでもう1枚付けちゃうわよ」

「買った」

「馬鹿なの!?」



 あら、梨蘭に怒られてしまった。



「いくら友達同士でも、お金の貸し借りはダメよ! それが友情の破綻に繋がるんだから!」



 相変わらずの律儀ちゃんだ。

 いやまあ、こればかりは梨蘭が全面的に正しいんだけど。



「冗談、冗談だよ」

「私も冗談よ。ごめんなさいね、梨蘭ちゃん」

「全くもうっ。言っていい冗談と悪い冗談があるのよ。でもよかったわ、盗撮も冗談みたいで」

「あ、それは本当よ」

「なんで!? ちょ、消しなさいー!」

「ほほほ。捕まえてごらんなさーい」



 あの、道具使ってる俺の周りを走り回るの、止めてくれません? 危ないので。


 トンテンカンと看板を作っていると、どこかに行っていた龍也が戻ってきた。



「あー、つっかれたぁ」

「お疲れさん。どこ行ってたんだ?」

「へいへい暁斗。お前さんクラスのことに興味なさすぎだろ……俺は俺で、クラス代表としてステージ発表があんのよ」

「へぇ、頑張れ」

「淡白ぅ!!」



 いやまあ、それ以外にかける言葉ないし。



「因みにうちのクラスは何すんだ?」

「ブレイクダンスだ。6人でチーム組んでてな。夏休み前から練習してるからもうかなり完成度高いぜ」

「ブレイクダンス?」

「おう。動画撮ってあるぜ。ほら」



 龍也から動画を見せてもらう。

 曲に合わせ、体育館でブレイクダンスを踊る6人。

 それを横から見てきた梨蘭と璃音は、感心したように呟いた。



「おぉっ、やるじゃない」

「そうね。素人目に見ても、かなり完成度高いんじゃないかしら?」

「だべ!? どうよ暁斗!」



 ふむ……。



「ウインドミルの完成度がイマイチだな。勢いが足りない」

「え……暁斗、ブレイクダンスわかるのか?」

「まあ、小学校の頃はリーザさんのところで毎日やってたから。中学上がってからは、たまにしかやってないけど」



 リーザさんってキックボクシング専門だけど、基本なんでもできるんだよな。

 他にも色んなこと教えてもらったし。



「言えよ!? おまっ、そういう大切なことは言えよ!?」

「あれ、言ってなかったっけ?」

「聞いとらんわ!」



 あ、そっか。だから誘われなかったのか。

 まあ誘われたとしてと断ってたけど。めんどいし。



「ちょ、暁斗今から入らない?」

「無理。俺も俺で忙しいから」

「頼むよアキえも〜んっ!」



 ええい抱きつくな、鬱陶しい。

 龍也を押し退けると、俺の服を誰かに引っ張られた。



「……おい梨蘭。何故そんなキラキラした顔で俺を見る」

「暁斗、暁斗。私、見たい」

「あえて聞くが、何を?」

「暁斗のブレイクダンス」



 ですよねぇ。



「あのな、個人のブレイクダンスとチームのブレイクダンスは全く別物なんだ。今見た感じ、チームとしてはまとまっている。それに、6人のチームに7人目の俺が入っても、むしろ異物感じ出ちまってバランスが崩れるぞ」

「「そんなぁー……」」



 そんな顔しても、ダメなものはダメです。

 落ち込む2人を横目に、看板作りを再開する。

 と、急に教室のドアが開いた。



「く、倉敷君、大変だよ!」

「おー、どうした? 自主練は終わったのか?」



 どうやら、ブレイクダンスのチームの1人らしい。血相を変え、バタバタと龍也の元にやって来た。



「じ、自主練中に、たっくんが足捻っちゃって……!」

「なんだって!? ちょ、直ぐ行く!」



 龍也とクラスメイトは慌てて教室を飛び出す。

 それを見送ると、両肩をポンッと叩かれた。



「暁斗君、これが運命よ」

「足を捻っちゃった子には悪いけど、期待してるわ」



 ……どうしてこうなる。

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