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第48話 一旦洛陽に立ち寄って、交州の反乱を鎮圧したよ

 さて、俺が交易の交換比率適正化を行いつつ、万里の長城を防御拠点として、効率的に使うことで、鮮卑は無理に侵入をしなくなった。


「まあ、ある程度生活に必要なものが、普通に手にはいるようになれば、無理に略奪もしないだろうさ」


 さらに今までは、長城そのものが放棄されていて、防御拠点として全く役に立っていなかったわけだが、騎兵が中心である遊牧民族相手には、きっちり城壁の上からの射撃要員を配備することで、高さは2メートル位のさほど高いものでない城壁でも十分防備には役に立つものだ。


 まあ、守らないといけない距離が長過ぎるのも問題だがな。


 その結果鮮卑が幽州にも侵入しなくなったことで、俺の征北将軍としての役目は果たされたと勝手に考えた連中は、今度は後漢の勢力圏でも一番南の交州での反乱を討伐しろと来たもんだ。


 俺の後任には会稽の反乱で手柄を立て使匈奴中郎将になった臧旻(ぞうびん)と、熹平三年(174年)の冬に鮮卑が北地郡に侵入したときに幽州の北地太守だった夏育(かいく)がそのときに鮮卑を撃退していたことで、護烏桓校尉になった夏育の2人とした。


 また、現在の涼州の護羌校尉は田晏(でんあん)と言う人物なのだが、こいつは戦で負けたのか横領などをしたのか、それとも誰かに連座したのか理由ははっきりしないが、罪に問われていたが赦されており、田晏は何とかして功を立てねばということで、宦官の王甫に取り入って再士官して今の地位を得たようで、蔡邕は涼州三明や俺に比べて軍事的才能があるとは思ってないみたいなんだが、天子は宦官の話を聞くばかりなんでちと心配だったりするが、まあ仕方ない。


「征南将軍の地位を返上して征北将軍に任じられ、また征北将軍の地位を返上して征南将軍に任じられて、あっちこちを駆けずり回るとか、大変なのをわかってほしいもんだがな」


 まあそう言っても、上の命令には従わないといけないのが、宮仕えの辛いところ。


 俺たちは、一旦洛陽に入り俺は征北将軍を罷免され、そのかわりに征南将軍に任じられて、荊州の新野に駐屯し、荊・豫二州の刺史を統べることになった。


「また道案内を頼む人間を集わなくてはな」


 今回は念のため上表し、豫州や荊州・揚州などで人と兵を募集したいことを伝えると、天子から許可がでたので、大々的に募集をしたが、その結果として豫州から鍾繇(しょうよう)橋瑁(きょうぼう)が荊州からは許攸(きょゆう)・黄忠・黄蓋・黄祖・蔡瑁(さいぼう)、揚州からは陶謙、孫堅などと共に、彼らの率いた部曲や義勇兵が1000ずつほど俺のもとに集まった。


 前回と違って俺が会稽の反乱を、あっという間に鎮圧したことがわかってるからだろう。


 この時代では宦官にコネがあって金を持っていれば売官で官位を手に入れられるが、コネがなかったり金がなかったりする場合は、こういった反乱討伐で功績を上げるのが一番出世の近道なのだな。


 俺は兵を分け揚州の会稽郡と荊州の零陵郡と交州の境界まで進んだ。


 数万人の反乱と言われている状況なので、交州へ人を派遣して、相手の兵力がどこにどれだけいるか探り、まずは交州の蒼梧郡太守の陳紹を救出し、一番東の南海郡の太守である孔芝を東西から包囲して降伏させ、揚州側を平定し、続けて荊州の南の鬱林郡を抑えて一旦兵に休息を取らせ、その南に面した合浦郡を落とし、最後に交阯郡・九真郡・日南郡の兵をまとめた反乱軍頭領である梁龍を斬った。


 これでおおよそ一年ほどかかったが乱はことごとく平定され、その間に降った敵兵は合わせて数万人になった。


 この反乱鎮圧の手柄で俺は名目上侯(千五百戸)に封じられ、黄金五十斤を賜ったよ。

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