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第44話 更にいろんな人間に伝を作っておこうかと思ったが…

 さて楊彪・馬日磾・盧植・蔡邕といった現状でも、洛陽に残ってる、必ずしも清流派とは言えない学者から儒学や傭兵術、占星術、詩歌などをいろいろ習ってみた。


「まあ、役に立つものも有れば、役に立たないものもありそうだな」


 この時代では占星術などは、何が起こるのかを推し量るためにとても重要なものであるので、これは習っておくに越したことはない。


 一方、儒教は、春秋時代に諸子百家のひとつである、儒家の孔子によって作り出されたものだが、孔子の死後には性善説の孟子と性悪説の荀子などに細かい教えは分かれたりした。


 秦では、法治主義に反すると焚書坑儒の対象になり弾圧されたとされるが、漢では統治に便利であるということで、漢の宮廷儀礼を定めたりなど儒者たちが活躍し、武帝の時に董仲舒が儒学を正統の学問として五経博士を設置することを献策して、武帝はこの献策をいれ、建元5年(紀元前136年)、五経博士を設けた。


 このことによって、漢においては儒教が国教となったとされていたが、実際に儒家一尊体制が確立されたのは、前漢末から後漢初にかけてで、それまでは法家や道家などの影響も強く残っていたし、現在でも地方では迷信も多く残っている。


 仏教の伝来もこの頃だがあまり広まらず、基本的には儒学が一強であったと言えるだろう。


 そして後漢においては、馬融とその弟子である鄭玄が、五経全体に矛盾なく貫通する理論を再度構築し、漢代経学を集大成している途中だな。


 儒学の徳治主義は、人間の欲望をかるく見すぎたのが、後漢での宦官の専横の原因でもあったように思う。


 もっとも孔子は刑罰で人民を統制すると、人民は刑罰さえ免れることができれば、何をしても恥ずかしいと思わなくなるといい、実際に秦の統治下では、刑罰があまりにも厳しすぎた。


 秦の法律ではちょっとしたことで死刑になってしまうので、殺されるくらいならと、反乱が多発したのも事実ではあるが、どちらも程々が大事なのだろう。


「他にあっておくべき人物は……司馬懿(しばい)の父親の司馬防(しばぼう)にはあっておくべきか」


 司馬防は、司隷河内郡の人物だが、司馬一族も名士と言える家で、曾祖父は征西将軍、祖父も豫章太守、父も潁川太守まで昇ったというが、太守になれるのはかなり少ないからな。


 子は司馬朗・司馬懿ら8人いたが、皆優秀で全員が字に「達」の字を持っていたため「司馬八達」と呼ばれたそうだ。


 なので、一度会いに行こうと訪ねてみたが、彼が固く門を閉ざしていたため結局会うことはできなかった。


 ならばと三国志を代表する関羽に会いに行こうかと、司隷河東郡解県の解池の近くに行ってみた。


 この解池は塩湖で中国最大の「塩」の生産地でもある。


 海から離れた司隷に、十分な量の塩を供給できたのも、この解池の存在が大きい。


 でまあ関羽が本籍地である、河東郡から出奔を余儀なくされ、劉備や張飛と出会うことになった理由というのははっきりしないが、関羽は殺人で官吏たちから追われていたのは間違いないらしい。


 塩に関わる商人として金を得ていたのは間違いないらしいが、塩の密売をしていた塩賊だとも言われるし、師匠を中傷した者を殺害して逃亡犯になった、競争相手の塩商人を殺害した、暴利をむさぼる塩商人を義憤から殺して官吏に追われたともされる。


 そこで問題なのは、逃げるときに本名は当然名乗らないので、関羽というのは偽名だということなのだな。


 このあたりは張遼も命を狙われていたので名前を偽ってるのと似ている。


 結局、塩の密売の規模があまりにもひどいものを、検挙はしたが、多分関羽ではなかろうということで、逮捕したものは法に照らして罰を与える事になる。


「うーん、名前も顔も知らないやつを探すのが無謀だったか」


 塩の売買で十分な金があれば、わざわざ武功をあげようともしないだろうし、密売に関わってるとしたら司隷校尉である俺のもとに来るはずもないか。


 そうそううまくいくばかりではなさそうだ。


 ちなみに、張飛の家は金持ちで、何進と同じく屠殺と精肉をやっていたとか言う話だが、これも事実かどうかはわからないが、農民とかではないのは間違いなさそうな気はするな。


 劉備の家は貧乏、関羽も逃亡中で貧乏だったから、実は張飛が一番金があったかもしれない。

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