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第24話 史実ではもうひとりの右腕の李儒が訪ねてきたぜ

 さて、党錮の禁のドサクサに紛れて本来は袁紹に与する清流派の人物の一部を俺の下に囲い込めた。


 清流派というともやしな頭でっかちの文官タイプに見えるだろうが実際は過激な思想を持った政治犯の過激派だったりもするのでもちろん宦官や純粋な名士からのうけは良くない。


 だが袁紹などがそういった勢力の人物を取り込んで一大勢力を築いたように彼らの力はあなどれないのだ。


 特に危うく宦官の一族として殺されかけたことで曹操が取り込めたのはでかい気がする。


 もっとも袁紹と曹操はあまり気があっていたわけでもなかったらしく、結局の所宦官出身の曹操を袁紹はあまり重んじていたとは言えないのも事実だろう。


 そんなところへやってきた人物がいた。


「あなたが董仲穎殿ですか。

 私は馮翊郡の博士官の李文優と申します」


「ほうほう、博士官となればなかなか高位ではないですか。

 俺にどのような御用ですかな」


「確かに博士官といえばそこそこ評価されているといって良いでしょう、本来であれば。

 しかしながら涼州に隣接する馮翊郡ではむしろ評価に値するものと思われておりませぬ」


「なるほど、俺も涼州出身だからわかるぜ」


「できれば、ここ洛陽とのつながりを持ちたいものですが私はさほど銭は持っておりませぬ」


「なるほど、官位を金で買うことが出来るほど余裕はないと」


「はい、そこで武衛将軍であるあなたと友誼を結べればと思ったのですが」


「なるほどな、ただ俺がここに居れるのはそんなに長くないとおもうぜ」


「何故ですか?」


「張然明様は天子に忠誠を誓っているが中常時たちに忠誠を誓ってるわけではないからな。

 いずれは辺境へ向かわされるだろうしその時は俺もいっしょだろうからさ」


「現状の私を孝廉で中央に推挙していただくことはできませんか?」


「いやできなくはないとおもうぜ茂才で推薦するくらいはな」


「ではぜひお願いできますか」


「それは構わねえが、俺にもその見返りがほしい」


「見返りと言いましても私は金はございませんが」


「ああ、そういうものはほしいと思わん。

 ただ俺がここを離れた時にここの状況とかを文で知らせてほしいんだ」


「状況をお知らせすればよいのですか?」


「ああ、状況を把握しておくのは大事なのでな」


「かしこまりました、その条件でございましたら私も協力できるかと思います」


「ああ、よろしく頼むよ」


 賈詡や荀彧・荀攸などは辺境に逃がしてしまったので、洛陽など中央の状況を把握して情報を送ってくれる人間はぜひとも得たい。


 史実で董卓が涼州から上洛したときに連絡をとっていたのは李儒と董旻であった可能性が高いから元々司隷・日本で言うなら畿内の住んでいた李儒の情報は大事だったはずだ。


 李儒も司隷の中ではど田舎と呼ばれる場所よりは洛陽のほうがいいのだろう。


 俺はそんなに長くは居たくないけどな。


 政争にも巻き込まれたくないし、肉の中身もいちいち疑いたくはないし。

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