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第162話 混乱が収まったら兵力は縮小するべきだな

 さて、とりあえず行っていはいけない犯罪的行動とそれに対しての罰を簡潔に決めたが、こまかい事件事故などはそれが起こってから対応することになるだろう。


「次は政治関係も決めないといかんか」


 これに関しては史実の曹丕の政策を参考にするべきか。


 宦官にたいして聖帝に一定以上の地位に付けないようにはもうしている。


 聖帝の皇后にも政治的な実権はないから、聖帝を差し置いて皇后へ直接の奏上を禁止する必要もとりあえずはない。


「とは言え改めて私刑は禁じることを明示するべきか」


 きちんと裁判所で争うようにさせなければ自力救済、つまり武力の強いやつが何でも奪ってしまうという状況から抜け出せないからな。


「これからは余計に他人を蹴落とすための嘘の密告が増えそうだしやはり密告は禁止だな」


 このあたりは中央情報局がちゃんと仕事をすればいい話だ。


「そう言えば光武帝は正月に皇帝が出したお題をめぐってその解釈を競い、勝者が相手の座席を奪って積み上げて座る知恵を競う競技を開催したんだっけ、これ結構面白いかもな」


 どう見ても大喜利だよな、これ。


 問題は軍備とかなんだよな。


 光武帝は皇帝になったあとで役所を統廃合して役人の数を十分の一に減らし、農民負担が大きい徴兵制度を廃止し、流民を用いた屯田兵や武陵蛮などの異民族を傭兵としてを用い、財政負担の軽減を図っているのだが……。


「光武帝が強すぎたせいもあって、兵力を削減しすぎて失敗したんだよな」


 項羽が彭城の戦いで劉邦の連合軍56万人を精兵3万で散々に打ち破ったのは有名だが、光武帝は新の40万の軍を3千で打ち破っていたりして、これは双方の技術力に大きな差があるわけではない合戦ではおそらく世界記録的な兵力差だったりする。


 とは言え財政を圧迫する軍備の縮小自体は避けられない。


「このあたりはやはり唐にならうか」


 唐は近衛の中央軍である禁軍と常備に正規兵部隊と募兵や傭兵の地方軍・辺境軍からなって、後者は騎馬民族など少数民族の騎射技術はまだまだ威力を発揮し、少数民族出身の「蕃将」たちが武功を立てることが多かったらしい。


「中央5万、辺境5万も兵があれば治安維持はできるか?」


 現状では合わせれば20万以上いる兵士を半分にするわけだからトラブルも起きそうだけど、年齢的にもう現役を引退したいやつもそれなりにいるだろうな。


 まあ光武帝のチートな能力とそれによる色々な業績もあって二代目の明帝、三代目の章帝ともに光武帝の決まりを守っただけで堯舜禹に比される名君とされ、その後後漢は二百年間法律も制度も光武帝の決めたものを守って、基本的なところはほとんど変化しなかったといわれている。


 細かいとこではどんどん増えていっているようだし、後漢の皇帝が幼いまま即位して、若くして死んでしまう皇帝が続出したせいでもあるが。

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