表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/177

第13話 涼州三明の一人張奐の下で戦って出世できたぜ

 さて、兵馬掾兼屯長となった俺は私的な仲間にくわえて徴兵された男なども含めて部下500人を率いて辺境の警備に当たることになった。


「我々が高祖に習い守るべき法は3つだ。

 すなわち殺すな・傷つけるな・盗むな。

 これだけが守られればまず問題はおこらぬ」


 おれはそのように守るべき法を明確にした上で国境沿いの巡回警備を行い馬賊などの取締を行っていた。


 羌族のいくつかの氏族とは個人的な交友もあるが当然すべての氏族と仲が良いわけでもなく彼らが国境を越えて侵入し食べ物などを奪い、住民たちを拉致した際には手を貸してくれる羌族も含めた騎兵を率いて略奪を働いた羌族の討伐に出向いて疑似敗走戦術で釣りだした後に挟み撃ちにしてそれを撃破し、悪さをはたらいていた羌族の多数を射殺し、降参したものは捕虜にもした。


 捕虜としたものは農耕に従事させたり私兵に加えたりなどをして俺の勢力は更に大きくなっていくことになった。


「まあなんとかうまく勝ててよかったぜ」


 この時代の異民族の集団は特に統率が取れているわけでもないので割と劣勢になるとすぐ逃げたり降伏したりするからな。


 そして永寿元年(155年)に涼州三明と呼ばれる名将3人である段熲、皇甫規、張奐の中のひとりである張奐が涼州安定属国都尉としてやってきた。


 涼州三明は三人共に涼州の出身であり、字に“明”がつく事からそう呼ばれ後漢末の桓帝から霊帝の時代に、羌族・匈奴・烏桓などの辺境の異民族の反乱を幾度も鎮圧し、北方の安定に大いに功績を挙げた人たちだ。


 その張奐都尉が率いるのは名目上は曲の1000の兵だが来たばかりなので当然そんなに数は居ない。


「ようこそ涼州へいらっしゃいました。

 名高き張然明様の下で働けることを光栄に思います」


 俺はそういって頭を下げた。


「うむ君が董仲穎か、その勇名は聞いているよ。

 これよりよろしく頼むぞ」


「はい!」


 そして彼の着任とほぼ同時に、万里の長城の中に住んでいる南匈奴の台耆、伯徳ら7千余人が略奪を働き、更には東羌もこれに応じ略奪を働き始めた。


「こうしてはおれぬ、すぐに討伐せねば」


 張奐は着任したばかりでそれに従ってすぐ動けるのは200人ばかり。


 俺は張奐に聞いた。


「相手は7000もの大軍です。

 一体どうやって討伐するのですか?」


「うむ董仲穎よ。お前は西の東羌の注意を引きつけよ。

 その間に私は交通の要衝である亀茲を押さえる。

 まずはここを押さえてしまえば、南匈奴と東羌を分断できるはずだ。

 そうすればまず東羌は我々に従うであろう」


「わかりました、やってみます」


 俺は騎兵を率いて亀茲を押さえそうしたことで孤立した東羌を降伏させた。


 一方張奐は匈奴に戦いを挑み連戦した。張奐は台耆を打ち破りその兵を吸収して、最終的に伯徳ら南匈奴は投降して反乱は鎮まった。


 そして東羌の族長たちは馬20匹を、南匈奴の族長は金鐻8枚を贈ったが、張奐は使者にこういって受け取らなかったそうだ。


「私は馬を羊のように扱い、金を粟のように扱おう」


「おお、なんと素晴らしい方だ」


 張奐の前任者は異民族に対して牛馬や金銀を差し出させ私腹を肥やしたが、それにより匈奴や羌族は彼をたいそう嫌った。


 しかし張奐は異民族にそういった行為を行わせなかったため、支持を受けることに成功し使匈奴中郎将に昇進した。


 その下で働く俺も中郎に昇進し禄は六百石に官位は六品まで上がった。


「張然明様は流石ですね」


「うむ、君がうまく動いてくれたおかげだと思うよ」


「お役に立てて光栄です」


 史実では張奐には董卓は嫌われていたとも聞くが仲良くやっていけそうな気がする。


 彼に従って戦い後に并州刺史になれれば呂布や高順、張遼などの史実では丁原に従っていたものを俺の配下に出来るかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ