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第115話 麹義と劉和に調略をかけようか

 さて袁紹は劉虞の子の劉和を公孫瓚討伐軍の旗頭として擁立し、その下に麴義を付けて、公孫瓚の軍を打ち破ったものの堅牢な易京は攻めあぐね、1年余りの易京を取り囲んだものの兵糧が尽きてしまい退却。


 しかしそこを公孫瓚に逆襲されて、輜重車を奪われる大敗をした。


 無論食料が尽きたのだから輜重車自体は空っぽなわけだが、それを引く馬ごとそれを奪われれば当然袁紹は面白くない。


 だが、麴義も公孫瓚を追い詰めた功績を鼻にかけ傲慢になっているのも事実であるようだ。


 もっとも袁紹陣営内で公孫瓚との戦いで何度も功を挙げて大きな影響力を持っている上に、劉虞の子の劉和を頭に抱えている麹義が第二の公孫瓚になる可能性も低くなかっただろう。


 しかも劉虞と公孫瓚と違い二人の仲は決して悪いわけではない。


 更には麹義の軍は公孫瓚に負けず劣らず略奪が酷かったりもする。


 袁紹はかなり世間の評判を気にしていたようなので、略奪を常に行うような麹義を嫌っているようでもある。


 でも公孫瓚の擁する白馬義従と呼ばれた幽州の騎兵軍団と戦うには、異民族的な騎兵との戦いに秀でた麹義を粛清することはできなかった。


 しかし、公孫瓚が籠城するだけになるとあまり騎兵の活躍の場もなくなり、騎兵対策で麹義の存在が必要なくなったことで粛清に走ったのだろう。


 そして親譲りの名声を持つかも知れない劉和も密かに処刑したのではないかと思う。


 麹義がいまいち無名だったりするのは曹操との官渡の戦いの前に殺されたからであるし、結局立場をわきまえなかったのであろうその死は自業自得であもあろう。


 とはいえもうちょっと思いとどまっていたら曹操は官渡の戦いで負けていたかもしれないので正直早まったと思うが、後漢最強の軍人の一人だと思う。


 麹義をこちらに引き込むために韓遂の配下にいた麹演を冀州西部に送って麹義にさらなる調略をかけるようにしようか。


 俺は麹演と曹操を呼んで指示を出すことにした。


「袁紹には麹義を使いこなすことはできないようだ。

 そこで同族であるお前に麹義及び劉和の逃亡の手伝いと説得を頼みたい」


「私にですか?」


「うむ、公孫瓚を攻め滅ぼせなかったことを名目に恐らく袁紹は麹義及び劉和を処刑しようとするだろう。

 しかも大々的にではなく密かに。

 なので殺される前に彼等を逃亡させ、こちらに引き込みたいのだ」


「わかりましたやってみましょう」


「曹(操)孟徳も協力してくれ」


「かしこまりました」


 曹操のバックアップのもとで同族が接触しようとしているとなれば袁紹は麹義及び劉和を早く殺そうとするかも知れないがそれならそれで構わない。


 袁紹の戦力を大きく削げるであろうし劉和を利用するだけ利用して殺したという汚名を袁紹にはかぶってもらおうか。

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