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第103話 公孫瓚と袁紹がやりあってる間に交州も安定させよう

 さて、一時期、幽州にも侵入してきた青州黄巾残党を撃破して、大いに勢いに乗ったことで勢力範囲を拡大した公孫瓚だったが、結局は冀州で袁紹との直接対決で敗北して幽州へ逃げ帰ったようだ。


「むふ、麹義を我が配下として従えておかなかったのはもったいなかったな。

 涼州か并州にはいただろう可能性も高かったであろう」


 曹操が俺の言葉にうなずく。


「と言っても始まりません。

 騎兵への対応策をよく知っている麹義と正面から戦うとなると少なからず被害が出そうであります。

 ここは計略を持って対処するのがよろしいかと」


「ふむ、袁(紹)本初から見れば、大きすぎる功績を立てた涼州出身の田舎者が功績を鼻にかけ傲慢に振る舞えばそれを良くは思うまいな」


「勝てたのは袁(紹)本初の力ではない、それを麹義は鼻にかけていると言う噂をまいて不和を誘うべきですな」


「ふむ、うまくやってくれるか」


「お任せください」


 曹操は中央情報局の商人や流浪民などに化けた工作員を使ってまずは噂をまいてくれるだろう。


 不和の種を巻いて芽が出るまでそこまで長い時間はかからないかもしれない。


 袁紹は格下と思っていたものが同格のように振る舞うのを嫌うからな。


 そして、敗北により公孫瓚と劉虞の関係が決定的にこじれたことで、劉虞も公孫瓚も独立して勢力を維持するのは難しくなっただろうが、こちらは工作をするまでもなさそうだ。


 なんだかんだで劉虞は高い名声を持ってる上に劉家だが戦争はそこまで得意ではないからな。


 恐らく公孫瓚は劉虞の権威というものをそこまで評価していないだろうが、士大夫や民衆からの支持が高い劉虞を殺してしまっては民衆などから総スカンを食らうはずだ。


 一方、袁紹も公孫瓚のこもる城を攻めたりしたが、攻めきれずに公孫瓚から逆襲を受けたり、そこで青州黄巾残党や冀州の黒山賊などが反乱を起こしたりもしている。


 黒山賊には并州の頭領経由で兵や物資の支援をして、袁紹があまり強大になりすぎないようにさせておいたほうが良さそうだ。


 もっとも史実ではこのあたりは曹操がほとんど打ち破ってるのだが、袁紹は結構苦戦してるようだ。


 若いときの曹操は本当に戦の天才だと思うよ。


「では今のうちに交州の劉焉などと交渉して南部の安定も図るべきだろうな」


 賈詡は俺の言葉に大きくうなずいた。


「いずれは我々も北に向かうとしても、交州などが落ち着かねばそれも難しいですからな」


 劉焉は王族としては結構有力なほうである言われているし、もともとの地盤は荊州の江夏郡なので交州あたりへの影響力も小さくはない。


 そして劉焉は霊帝の銅臭政治によって民意が離れて中央朝廷の統治能力が大きく衰えていることもわかっていたので霊帝への諫言もしたが、霊帝はそれを受け入れなかったので、中央から離れ辺境である交州牧の地位を望んで、それが許可されたので交州へ赴いた。


 史実では侍中である董扶の”益州に天子の気があります”と言う言葉によって天子の座を望むために益州へ入ったと言われてるな。


 とはいえ、今のところ劉焉が何か行動をこすような様子はない。


 またかっての交州刺史の賈琮の推挙により、交阯太守となった士燮(ししょう)やその兄弟も特に荊州に攻めてくるような様子はない。


 交州はインドシナ半島やマレー半島などの南方から入ってくる香料・香辛料・砂糖などの特産品の貿易中継地点としては栄えているが、この頃は農地はまだたいしてない。


 とはいえ暖かくて食糧不足になる可能性が低い土地であるので北方異民族のように様々な理由による飢饉によって略奪に走るということは少ないのは助かるけどな。


「劉焉や士燮に対して官位役職を与えて交州の監督はそのまま行わせ、天子に対しての貢納は行わせるようにするか」


「まずはあちらの様子を見るためにもそれが良いかと」


 士燮は恐らく貢納を多分受け入れると思うけど、劉焉はちとわからないな。

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