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第101話 荊州南部で反乱が起こったので鎮圧したよ

 さて、皇甫嵩は天子のもとに帰参したという体で、実質俺の下で働くことになった。


 これは奇妙に思うかもしれないが、いがみ合っていた袁術と袁紹が最終的に袁術が落ちぶれた時、袁紹は袁術を庇護しようとしている。


 曹操が呂布を捕らえた時も劉備がいなければ、呂布は曹操の下で働いていたかもしれない。


 だから、皇甫嵩が天子のためにと俺の下で働こうとするのはおかしくはないのだろう。


 まあ俺を謀反人扱いしておきながら、天子を助けた途端に帰参したと言って忠臣扱いする態度にはモヤっとするものもあるが。


「北方がごたごたしている間にまずは荊州南部の統治を確実にしておくべきだな」


 今でも俺の参謀として一番信頼をおいている賈詡に俺は聞いた。


 そして賈詡はうなずく。


「はい、荊州については南陽、南郡、江夏についてはもはや問題ないと思います。

 ですが武陵、長沙、零陵、桂陽については現状では完全に我々に従っているとは言えませぬ」


「ふむ、南方は異民族も多いし、俺が天子や皇甫嵩を迎え入れたことに不満もしくは不安を持っているものも多いようだな」


「そうですな、なかなかうまくはいかぬものです」


 そして荊州南部の対応などを考えているうちに長沙郡では区星(おうせい)が、零陵郡では觀鵠(かんこく)が、桂陽郡では周朝(しゅうちょう)郭石(かくせき)らが反乱を起こしたとの報告が曹操より入ってきた。


「うーむ、天子達を南陽に迎えたことが裏目に出てしまったか。

 仕方あるまい誰かを征南将軍にし、討伐を行わせるべきだな」


 これに対して董越が進み出て言う。


「ならば父上、私を向かわせてください。

 必ずや反乱を鎮圧してみせましょう」


 ふむ、董越は俺の次代の部の長となるべきであるし、ここで反乱討伐を行わせるのが良いか。


「わかった、反乱討伐の総大将は董(越)遠公、お前とする。

 孫(堅)文台には我が息子の補佐を頼みたい」


 孫堅は俺の言葉に頭を下げていった。


「かしこまりました」


 その下に張郃や黄祖、陸康や陸儁など討伐に参加を希望するものを将としてつけて、彼等を南に送り出すことにした。


 そして、長沙の区星は早期にやぶって長沙は概ね平定したものの、零陵郡と桂陽郡の反乱軍が続々と長沙軍の南部の昭陵県や連道県などへと侵入してきて、それを撃退するも、また別の方向から反乱軍が侵入してくるという、もぐらたたきのような状況になってしまい、反乱の短期鎮圧は難しくなってしまったようだ。


「うーむ、もっと大軍を送るべきであったか……」


 俺も年をとったせいか、それとも慢心しすぎたか、判断を誤ったようだ。


「ふむ、では私が後詰めとして南方へ赴くとしようか?」


 そう言ってきたのは皇甫嵩だ。


「そうしてもらえるか。

 皇甫(嵩)義真よ。

 できれば零陵郡の賊徒を叩いてほしい」


「うむ、任せておけ、桂陽郡は董(越)遠公に任せるとしよう」


 戦力の逐次投入は下策ではあるが、送らないのはもっとまずかろう。


 皇甫嵩は劉備などを引き連れて長沙へ向かい、零陵郡方面の賊は自分が引き受ける旨を董越へ伝えて、零陵郡方面の賊の撃退に向かった。


 桂陽郡方面の賊への対処へ専念できるようになった董越たちは賊徒の集団を打ち破った。


 結果としては零陵郡方面の賊は皇甫嵩により、桂陽郡方面の賊は董越によって打ち破られた事によって、長沙、零陵、桂陽を含めた三郡の反乱は収まり武陵も含めて荊州南部の平定は完了した。


「これで荊州は安定するか」


 もっともそうなればそうなったで交州の賈琮や劉焉、士燮やその一族がどう考えるかという問題は出てくるんだが。

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