表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄桜記 2~現~【うつつ】  作者: 綾乃 蕾夢


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/24

あの木の下で 2

 駆先輩の話によりますと、先程の体育の授業中にクラスの女子生徒が一人、あの夾竹桃に向かって歩いて行ったそうです。

 用事もないのに。


 ハルオくんの声で、異変に気が付いた駆先輩と二宮さんが駆けつけて事なきを得たようですが、女子生徒はそのまま貧血で倒れて保健室に運ばれることになりました。


「あの子、ちょっと引きが強そうな感じではあったんだけど、今までこんな風にふらふら木に吸い寄せられることなんてなかったのにな」

「あの木、確かに見られているようなゾッとする感じは私もしました。

 今期。四月から変化があった事ってなんでしょう」

 頭を抱える駆先輩に尋ねてみても思い当たる節もないようです。


 そんな駆先輩にスっと差し出されたのは、iPadです。


 この場に来ていた二宮さんのiPadをみんなで覗き込むと、そこに写っていたのは入学式の様子。

「これ、今年の入学式です」

 同級生の顔ぶれに、私もチラッと写りました。

 今年の……。


「私。ですか? 原因」

 表情がないはずの二宮さんの視線が、そう語っているように感じちゃいました。


「力の強い人間に引かれて、活性化したってところか」

 至先輩は納得の面持ちですけど

「待ってください、だって私つい先日までおばけなんて見たこともなかったのに。

 急に力があるなんて言われても」

 焦る私に再び差し出されたiPadに書かれていたのは


『おばけ……』


 あ。

「あのあの、違うんです二宮さん。

 最初はびっくりしちゃいましたけど、皆さんとってもいい方たちで」

 慌ててフォローに入った私に先輩たちは笑いをこらえるのに必死みたいです!


「あーあ、しかしニノよ、お前どうやってiPadなんて手に入れたのよ」

 うらやましそうにiPadを見る駆先輩に、またも差し出されるiPad。

「『ポチった』って。

 ポチるためのiPadは何でポチッたんだってのっ」


 確かに、謎です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ