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88歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 稲荷様の急な提案に流石のダークですらも驚いていた。


「いえ、そこまでして頂かなくても。わっちらは歩いて向かえますゆえ。」

「そうですよ。そんなお手数かける必要は……」


 ダークとクラリスは稲荷様の提案を断ろうとした。流石に恐れ多いのだ。


「いや、今のうちに行っておけ、奴は今なら確実に出雲におる。今を逃すとまたどこかへ行ってしまう。」


「そうなのですか?」

「ああ、来月は全国の神々が来るから忙しくなる。そうなると奴は逃げるんじゃ。」


「「逃げる⁉︎」」


 クラリスとダークが驚きながら聞き返す。


「ああ、仕事をしてる神々を他所に仕事を預けて下界へ逃げてしまう。そうなると捕まえる手段がなくなる。行くなら今だぞ。」


 クラリス達は顔を見合わせて頷く。


「それではお願いします。」

「おう。任せなさい!」


 そう言うと稲荷様は何か呪文の様なものを唱える。すると部屋が光り出した。


「行くぞ!出雲へ。」


 稲荷様が言うと、眩しい光で皆目を瞑った。そして次の瞬間、クラリス達は霧の中へいた。


「ここは……?」

「霧が深いの。皆おるのか?」


「ええ、ここに。」

「いるよー。」

「います。」


 ダークの呼びかけにエール、サクラ、ボタンが返事を返した。


「ここが出雲か?」

「はい。ここは神々の間へ続く渡り廊下です。神様しか分からない様に毎回道が変わるそうです。」


「じゃあここで待ってた方が良さそうね。」

「いえ、私ならこの道が分かるので。付いて来て下さい。」


 そう言うとボタンはとてとてと歩き始めた。


「ちょっと待ってよボタン。何であなたは道が分かるの?」

「なぜと言われましても、私は嗅覚が優れてるので先行してるお稲荷様の匂いを辿(たど)れば良いので……」


「なるほど……」


 改めてボタンがすごいと思うクラリスであった。


 そして霧の中、渡り廊下を歩いていると行き止まりになっていた。


「ここです。」

「ここなの?行き止まりじゃない。」


「大丈夫です。では、開けますよ。」

「えっ……どこを?」


 確かにそこは行き止まりだった。しかし、ボタンが壁に手を添えると木で出来た扉が現れて開いた。そしてまた光に包まれた。


 そして次にクラリス達が目を開けると青空が広がっていた。


「えっ?どうなってるの?室内だったわよね……」

「ここは神域か……」


「はい。ですのでここでは地上の常識は通用しません。気をつけて下さい。」

「気をつけて下さいって……」


「あれ?みんな来たのか?後で迎えに行こうと思ってたんだが。」


 霧の向こうに人影がみえた。


「お稲荷様!」

「そっか、ボタンがいたものね。匂いを辿って来れる訳だ。いやー、すまんすまん。あやつと話す前に私が話を通しておこうと思っておったんだ。」


「は、はぁ……」

「まぁよい。あやつも来たことだし。丁度良い。」


 すると霧の向こうから痩せた男の人が現れた。


「稲荷。この者達か、異国の来訪者とは?」

「ええ、そうよ。あなたにお願いがあるらしいぞ。」


「は、初めまして。クラリスと申します。」


 クラリス、ダーク、エール、サクラと挨拶していく。ボタンは会釈だけ。会った事も挨拶もしているのでこれで良かった。


「うむ。よろしく。稲荷よ。お主は帰って良いぞ。案内ご苦労。」

「えっ?もう少しいるわよ。なんだか面白そうだし。」

「ならば勝手にしておれ。では、話を聞こう。」


 男は指を鳴らすとたちまち空は消え、格式の高い部屋へとなった。


「さぁ、座ると良い。」


 クラリス達は座布団に腰を下ろした。


「改めて、この国を統治している神、オオクニヌシだ。お前たちの事はこの国に来た時から見ていた。ここに来なければこちらから向かおうと思っておったが、来てくれたおかげで手間が省けた。」


 クラリス達は黙って頷いた。


「一応稲荷から話は聞いておる。こちらも厄介事には関わりたくないが、お前たちのこれまでの行いを見てきた限りでは助けてやっても良い。」


「本当ですか⁉︎」

「ああ、最近我が国の人間は情という物が欠けていてな。(いくさ)が多いのもあるが心までもが疲弊しきっておる。そんな中お前達は子供を助けてくれた。犠牲は出したものの。行いとしては間違っておらん。命は平等である。大人でも子供でも。命を軽んじる輩を成敗してくれたのだ感謝しかない。」


 神様に頭を下げられて感謝されるとは思わなかったクラリス達だったので少し驚いてしまう。


「そんな、頭を上げて下さい。私たちは当然の事をしただけなので。」

「そうか。だが、感謝はせねばならない。それが礼儀だからな。」


 そう言うと神様は姿勢を戻した。そして話も戻す。


「さて、話を戻そう。神は基本的に人間達の営みに干渉は出来ん。そこは了承してほしい。」

「はい。」


「だが、そちらの神は人を使って君を追い込んでいると聞く。だから私たちはその神が我が国の人間達に手を出せぬ様協力する。そして、君に何か攻撃をしてきた時には我が国の神々も戦わせてもらおう。」


「良いのですか?そこまでして貰って?」

「よい。国を荒らされる事の方がよっぽど迷惑だ。」


 オオクニヌシは語尾を強くした後、視線も鋭くなった。流石は一国を纏める神である。


「難しい話は終わったか?オオクニヌシ。」


 するといきなり殺気の籠った声が広間に広まった。


「やぁ、戦神。もう来ていたのか。」

「ああ、強い奴がいると聞いてな。早めに来たんだ。それで強い奴とはどいつだ?」


「ああ、彼女たちだ。」


 クラリス達に視線を向けたのは頭から角を生やし、半裸の男だった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は3月6日午後15時です。お楽しみに!


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