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73歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「それで2人はいなかったのですね。」

「うん、みんなごめんね、心配かけて。」


 クラリス達はようやくフロール達と合流していた。ボタンとの話し合いを終わらせた後、ダークがオヤシロなどを供養した後出発した為、既に日を跨いでいた。


「しばらくはここが拠点じゃ。水や食料は大事にな。」


 ダークに言われて全員頷く。そして、フロールが話を切り出した。


「では、まずダークさんの後ろにいる子の紹介からお願いします。」


 フロール達はやっぱり気にしていたらしいのでボタンの紹介をした。


「ボ、ボタンと言います。よろしくお願いします。」

「あなたはキツネの半獣なの?」


 エールの問いかけにボタンは首を振った。


「いえ、私は元々神社の神様にお使いするキツネでしたが、もう神様は何処かへ旅立たれました。それでおやしろを守っていたのですが、この度ダーク様に拾って貰いました。」


「あのー……ダークさん……それは罰当たりの様な……よろしいのかしら?」

「良いのじゃ、捨てられてるなら拾って何が悪い。」


 エールの言葉を正論という名の暴論で返して黙らせるダークであった。


「それで、なんで私たちはこんなところに飛ばされたの?」


 リーフの質問にフロールが答えてくれた。


「それはですね……クラリスさんが命を狙われてるからです。」

「ね、狙われてる⁉︎」


 当然クラリスは驚いた。自分がまさか命を狙われるなどこれっぽっちも考えていなかったからだ。


「正確には人間から狙われておる。」


 ダークに補足されたがクラリスとしては聞きたくなかった。


「な、なんで私を?」

「お主に魔王の魔力があるなどと吹いて回った輩がおるらしい。そいつを今フゥ達が探しておる。」


「そんな馬鹿な事を!クラリスに魔王の魔力なんて流れてないわよ!」


 ダークの説明でリーフが猛反論したが全く意味のない事だった。


「それはわっちに言うな、人間どもに言わんか。とにかく、しばらくはこの国で身を隠しておくのじゃ。」


「……分かったわ。それにここにはみんないるんだもんね。それだけでも良かったわ。」


 クラリスももう割り切るしか無かった。なのでみんなが居てくれることに感謝する事しか出来なかった。


「あの〜……」


 状況が全く理解出来ていないボタンが声をかけてきた。


「クラリスさんって冤罪なんですよね?」

「そうね。神様に喧嘩を売っちゃったから嫌がらせして来てるのよ。神様がね。」


「えっ?神様と喧嘩しちゃったの?じゃあクラリスさんが悪いんじゃないの?」


「そこはいろいろあったのよ。そこにいるフロールに命を削る契約をさせたり人間を滅ぼす為にドラゴンに人間を恨ませて滅ぼそうとしたりとか……」


「そんな神様がいるんですか⁉︎私の仕えていた神様とは違い過ぎます。」

「まぁ、人に恨みを持ってた様だし、そしてこの前、クラリスに殺されかけたから数を使って消しに来たんだと思うわ。」


 リーフの説明にクラリスが悪くないことを理解したボタン。けれども昨日今日とクラリスを見ていて悪い人ではない事はよく分かっていたので、そこまで驚く事もなかった。


「分かりました。じゃあクラリスさんは無罪なのですね。」

「ええ、むしろこの世界を陰で救ってくれてるくらいよ。」


「そうよね。クローズがもし勝ってたらこの世界は滅んでいたと思うわ。」


「他にも妖精王の依頼を受けて戦争止めたりもしてるんじゃ、そんな奴を殺すなど黙っていられるか。」

「ええー!そんな事してくれてたんですか⁉︎」


 ニコラとダークが例えを出してそれに驚くボタン。当然と言えば当然である。そしてクラリスはというと照れていた。


「クラリスさん、顔がにやけてますよ。」

「だって、ダークに褒められたんだよー。あの滅多に褒めないダークが!」


「クラリスよ、口は災いの元だと教えたはずじゃが……?」

「あっ……」


 その直後ダークからのゲンコツがクラリスの脳天を直撃して、気絶という名の眠りに落ちた


「まぁよい、今日はわっちとウールで見張りをしよう。お主らは寝て体力を回復させておけ。」


「えっ?それなら私が樹木の結界張ってるから大丈夫よ。ダーク達も寝てていいわよ。」


「いやよい。お主もそれをすると寝てる間も魔力を使ってしまうじゃろ。任せておけ。」

「クラリスじゃないけど、ほんと今日は優しいわね。本当にダーク?」


 そして、そんな事を言うからリーフもゲンコツを貰って気絶するのであった。


「2人とも疲れていたのじゃろう。眠ってしまったわ。」


(((((いや、気絶でしょー……)))))


「ほほぅ、お主達も寝たい様じゃな。」

「いいえ、自分で寝れます。」


 他のみんなもコクコクと頷いて、ダークとウールを除いて全員眠りにつくのだった。


 翌朝……


「あの皆さん。もし宜しければ大和の国の神様に会って行きませんか?」

「えっ?会えるの?」

「はい!もしかしたら何かの力になってくれるやもしれません。」


 朝食を食べているとボタンからこんな提案が上がった。


「なるほど、して、それは何処なのじゃ?」

「ここから歩いて一月ほどの距離にあります。出雲という場所です。そろそろ全国の神々が集まられますので。会えると思います。」


「クラリスどうするのじゃ、行くのか?」

「行ってみましょう。何かわかるかもしれないし。」


「そうか、ならばここは拠点でもある以上、誰かが残らねばなるまい。」

「そっか、じゃあ誰が残る。」


 クラリスの言葉に誰も手を上げなかった……

ここまで読んで頂きありがとうございました。


次回更新はは2月2日水曜日の21時です。お楽しみに。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。


*2月からタイトル変わります。

今のタイトルが良いという方もいらっしゃると思いますがご了承下さい。

タイトルは「勇者も王様も殺した私ですが、女神様は幸せになれと言ってくれました」にするつもりです。

文字数が超えた場合はまた考えますのでご了承下さい。


読んで頂いてるみなさんに日々感謝しております。

来月からもよろしくお願いします。

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