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56歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリスがダークに仕置きという名の拷問を受けてる中、フロール、リーフ、ウールはエールとニコラの部屋に来ていた。ニコラはあれから熱が出た為ここで横になって休養しているのだ。


「あっ、フロールさん起きたのね!良かった。」

「フロールさん、もうで歩いて良いんですか?」


 ウールもニコラもフロールを心配していたらしく、フロールの姿を見た2人は安堵の顔をして喜んでいた。


「はい、おかげさまで歩けるまでは回復してきました。」

「ついでにクラリスも見てきたわよ。」


 リーフがクラリスに会いに行ったと聞くとニコラは身を乗り出して食いついた。


「クラリスさんは大丈夫なんですか⁉︎」

「落ち着いて、ニコラ」

「大丈夫よ。クラリスなら今ダークって人とお楽しみみたいだからね。」

「お楽しみ……」


 ウールの一言で今度はこの世の終わりの様な顔をしてしまうニコラをフロールが説明するのであった。


「それで、あの2人って結局何者なんですか?」

「そうそう、私もそれを知りたかったのよ。」


 エールとウールはダークとライトの事が気になる様で、リーフに説明を求めた。フロールとニコラも一旦話を止めてリーフに向き直った。


「まぁ、そうね。話しておくわ。たぶんみんなにこれから特訓をつけてくれる事だし……」

「えっ?私たちをですか?」

「そうよ。エールは私よりも()()()に鍛えてもらった方が良さそうだしね。」


(ゴウカ……男の精霊かしら……)


 エールがこれから修行をつけて貰う相手のことを考えている中、リーフは話を進める。


「フロールには私が着く事になるし、ウールはフゥに見て貰う事になるわよ。」

「な、なんでよ!フロールは私と契約してるのよ。なんで違うの⁉︎」


 ウールはフロールと離れると聞いて取り乱した。今までずっと一緒だったからこうなるのは当然でもある。


「ウールは風の精霊よね?だったら、風の大妖精に特訓してもらった方が成長出来るわ。」

「でも、そしたらフロールも私と同じで風の妖精じゃない?」


 ウールの言い分にはニコラもエールも納得する。もちろん当の本人のフロールもである。


「それがそうもいかないのよ。」

「どういう事ですか?」


 疑問を持つフロールにリーフは真剣な面持ちで答える。


「フロールは最初に私と会った時、水と風の妖精って言ってたわよね?」

「はい、そうですね。」

「でも、本来妖精は私の様な特例がない限り属性は1つなのよ。」

「特例……ですか?」

「そう、私は草木の妖精だけど水も火も土も風と光も闇も魔法が使えるわ。」

「「ええー!そんなに!」」


 知らなかったエールとニコラは驚き過ぎて大声を上げた。まぁ、それは置いといて。


「ええ、でもなんで使えるのか……理由は簡単。自然界に存在してる草木は土に密接して水と光を吸い取って育ってるから。そして、火を使うのにも木を使っていて、風も森を利用して起こしてるの。そして光が当たるということは影が出来る。影はいわば闇だから闇魔法も使えるって訳ね。」


「つまり密接に関わってるからこそ、使わせて貰ってるって事?」

「そういう事ね。」


 リーフはウールの言葉を肯定した。しかし、ニコラは少し納得がいかず質問した。


「あれ?でも、逆は出来ないよね?火の魔法使いや妖精が木々の魔法は使えないわよ。」


「そうね。でも、それにも理由があるの。私は火の精霊からすれば燃やすだけ、でも水の魔力で暴走できない様にしてるのよ。つまり相互関係が取れる樹木の妖精だから出来るのよ。」


「……話には聞いていましたが、やはりリーフも物凄い妖精だったんですね。」


 リーフの凄さを改めて知る4人に対して、説明は続く。


「それでフロールだけど、フロールは水の妖精でも、風の妖精でもないわ。」

「えっ⁉︎そんなはずありませんよ。現にこうして風魔法も水魔法も使えますよ!」


 フロールは驚きながらも魔法を使って自身の属性を示した。


「ええ、使えるわよ。ただもっと大きな存在の妖精なのよ。」

「大きな……まさか……」

「たぶん当たりよ、エール、そう天候の妖精よ!」

「フロールが……天候の……妖精……」


 リーフの言葉にウールは信じられない顔をしていた。それもそうだろう。風魔法を教えてもらってた人がまさか更にその上の妖精だったのだから。


「それで、フロールはまだ妖精としての力が解放されてないからまだ妖精ではないと妖精王が判定したわ、だからフロールは精霊って事になったわ。で、ウールとの関係だけど……契約は解除されない事にしたわ。」


「えっ?そうなんですか?」

「特例よ!特例!フロールはもう100年以上生きてるから年齢的には妖精でも本当は良いんだからね。大方、あの神がフロールの記憶をいじっていたんでしょうからね。」


「良かった……」


 リーフの説明を聞いてホッとしてるウールの肩にエールが手を置くのであった。


「という事で、明日まではゆっくりしてていいわよ。クラリスもそろそろ解放されると思うし、1日休んだらまた修行よ。しかも魔法の本格的なやつね!」

「「「はい!」」」


 良い返事が返ってきたところにダークがクラリスを(かつ)いで部屋へと入ってくる。


「ほれっ、仕置きは終えたぞ。」

「クラリスさん!」

「クラリス。」

「心配ない、死んではおらん。さて、次はお主じゃぞ。リーフ。」

「ふぇ?」


 ダークに呼ばれて変な声が出たリーフだが、すぐに状況を把握して逃げようとした。


「脱兎のごとく!」

「逃さんわ!」


 黒い魔力の固まりがロープの様になってリーフの足を払い倒してそのまま縛りあげる。


「クラリスだけ、仕置きをして、お主を咎めぬのは筋違いじゃからな。お主にも受けてもらうぞ。」

「いやー!」


 そのまま引き(ずら)られて部屋を出て行ってしまった。


(((それであの人は一体誰なの?)))


 肝心な説明をせずに連れて行かれたリーフでした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は12月29日水曜日22時です。


お楽しみに!


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