表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/151

45歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 あの後少し歩いて街まで着いた。そして街中を歩きながらクラリスはみんなに文句を言っていた。


「もぉー!みんなのせいで髪がボサボサじゃない!」

「しょうがないわよ。クラリスが少し成長してくれてみんな嬉しかったのよ。」


「もぉー……まぁいいわ。まずは今どこにいるかを確認しましょう。」


 クラリスはみんなを責めるのを一旦やめて聞き込みを始める。霧の上を飛んで来たので現在地がイマイチ掴めていないのだ。


「とりあえず役場に向かいましょう。あそこなら大体の話は聞けるから。」


 クラリスはそう言うと役場を探しだした。だがそこに待ったをかけた子がいた。


「待ってクラリスさん!」

「ん?どうしたのニコラ?」

「お腹空きました!」

「あー……そういえば朝早かったもんね。」


 時刻的にはお昼前である。お食事所も今なら空いてるだろう。


「みんな、先にお昼食べる?」

「そうですね。私は賛成です。」

「私も賛成。今ならパパッと食べられるだろうし。」

「みんな行くなら私も賛成!」

「そうですね。先にお昼が食べられるならありがたいです。」


 エールは遠慮しながら言っているが、この中では1番疲れているはずだ。何せ結構な距離を飛んで来てくれたのだから。労わなければバチが当たる。


「じゃあ満場一致ね。行きましょう!」

「クラリス、聞き込みは私とフロールでしてくるからここで待っててくれない?」

「いいわよ。任せる。」


 リーフとフロールが聞き込みいってしまうとニコラはウールにコソコソ話をしてきた。


「ねぇ、なんでクラリスさんに任せなかったの?」

「リーフの話ではクラリスに任せたら大体酷い目に遭うかららしいわよ。」

「えー、そんな事あるの?」

「リーフの話だと、喧嘩に巻き込まれたとか、味が酷かったとか言ってたわよ。」

「ふげー……じゃあリーフさんが自分で行くって言うのも分かるかも……」


 クラリスはエールと談笑していた。その横顔をジト目でみるのであった。

 少し経つとリーフとフロールが戻ってくる。


「みんなー!」


 リーフが少し先から手を振っていた。そこまで4人で歩いて行った。


「フロールは?」

「お店の前で待ってるわよ。さぁ行きましょう。」


 リーフの先行でお店へと向かう。お店の前ではフロールが壁にもたれかかって待っていた。クラリス達に気づくとフロールも手を振って教えてくれた。


「皆さんこっちですよー」


 お店の中に入ると木の香りがした。まだ新築みたいだ。


「開店から1週間らしいわよ。味も良いって街の人のお墨付きよ!」

「ですね。5人に聞いて3人がここを推してくれたわ。」


 聞いた人数は少ない気がする4人だが、味が良ければ良いと思うのであった。


「あれ?このお店フォークじゃないのね?」

「これは……どう使うのですか?」


 クラリスとフロールは2本の枝の様な物を見て悩んでいるとリーフが教えてくれた。


「これは箸っていうのよ。こうやって指使って挟んで食べるのよ。」


 リーフの箸の扱いに5人は『おおー』と言う声で称えた。

 そして料理が到着する。熱々のスープの中に麺が入っておりその上には少量のネギと薄切りになった肉が入っていた。


「あ、熱そうだね……」

「ですね……」

「あれ?クラリスもリーフも熱いのはダメだったっけ?」

「ダメじゃないけど……」

「これは予想以上かと……」


 クラリスとフロールが少し躊躇ってる中、リーフとウールとエールとニコラはズルズルと麺を(すす)っていた。


「早く食べないと冷めちゃいますよ。」

「そうそう、こういうのはアツアツが1番だよ!」


 エールとニコラに(うなが)され麺を(すく)い上げて息を吹きかけて少し冷まして食べた。


「美味しい……」

「でも、熱いです。」

「そこが良いんじゃない。アツアツのものを一気に食べる!」

「しかも、早くて安くて美味しい!私この料理好きかも!」


 フロールの熱いと言う発言にリーフとウールはそこが良いのだと言い張る。

 確かに早くて安くて美味しいのは良いのだけど、熱過ぎて口に運べないのは少し不満なフロールであった。


 お店の人から「ありがとうございました。」の声を聞きながらクラリス達は出てきた。


「ふぅー美味しかったー。」

「凄く珍しい料理でしたね。」

「エールは替え玉5回くらいしてたよね?」

「あのシステムいいですよね!2杯頼めば代金が2倍なのに麺だけだから一杯銅貨1枚ですよ!里に帰ったら私作ってみます。」

「お姉ちゃんは食べるの専門じゃん。私が作ろうか?」

「あなたはワタシを殺す気ですか?」

「なんでそうなるのよ!」

「2人とも、店先なんだからいい加減にしなさい!」

「「うぎゃあああー」」


 店先なんかで姉妹喧嘩になるのは拙いのでクラリスは2人に鉄拳制裁で止めるのであった。


「それじゃあ、お腹も落ち着いたし、現在地の把握と宿を決めてしまいましょう。」


 全員頷いて役場を探した。そして役場で現在地を確認すると当初の目的地の街に着いていたことがわかった。なので、3日間はこの街に滞在する事を決め、ゆっくり休養するのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は12月4日土曜日の15時です。

お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ