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43歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 ウールが買い出しに行った後、エールとニコラを起こして再び歩きだした。


「クラリスさん、ワタシたちに気を使い過ぎですよ。」

「そうだよ。お使いくらい私でも出来るよ。」


 姉妹から少し不満を言われているが、それも仕方ない事だと思っている。だけど……


「ドラゴンがいきなり街に現れたら怖いでしょー。2人には2人にしか出来ない事を任せたいのよ。だから今回は2人ともゆっくりしててよ。」


「ハァー……しょうがないですね。」

「ムー……」


 エールは納得してくれてたものの。ニコラは頬を膨らませて不服アピールをしてきた。

 そんな話をしながら歩いているとウールが帰ってきた。


「ただいまー!」

「おかえりなさい。ウールうわっと……」


 ウールは戻ってくるなりフロールに抱きついた。


「ちょっと、ウール離れなさい!」

「やーだー!」

「どうしたのよウール!」

「だってさっきクラリスがフロールに甘えて良いって言ってたでしょー?だからフロールに甘えてるの。普段は出来ないからねー。」


 フロールから抱きついて離れないウールを見て、リーフは羨ましそうに、エールとニコラは面白そうに見ていた。そしてフロールはというと、クラリスをジト目で睨んで来るのであった。


「じゃ、じゃあー……もう少し先に進もうかー……日もまだ高いし……」

「クラリスさん!なんとかして下さい!」


 後ろからフロールが助けを求めているが、今のウールを止めるのはクラリスでも無理だと分かってるのでスルーすることにしたのであった。


 日が傾き空がオレンジ色に染まる頃、クラリス達は野宿の準備を始めた。

 フロールは結局ウールと手を繋いで歩いて来て、疲れたらおんぶして貰っていた。フロールの視線はずっとクラリスに向いており、ぜっっっっったい許さないという念を送っていた。クラリスもそれを感じ取っており、冷や汗をかいていた。


「クラリス。ここら辺で休むのは良いけど、今日はテントよりさっきの魔法で星を見ながら寝たいなー。」


 ウールが面白そうな事を提案してきたが、リーフが止めた。


「やめときなさい。たぶん凍死するわよ。」

「えっ?なんで?」

「あー、そっか、ウールは風のままだから分からないと思うけど、こういう何もない場所は夜になると急に寒くなるのよ。」


「そうなの。知らなかったわ。」


「私たちもそれを知らなかった時にやって酷い目にあったわよ。」

「あれは酷い目に遭ったわね。リーフなんて髪が凍りついてたし……」

「という事でお勧めはしないし、出来ないわよ。」

「うん、やめとくわ。まだ死にたくないし……」

「「「あはは……」」」


 ウールの即決にやりたそうにしててフロール達3人は乾いた笑いしかでなかった。

 夕食の準備をするフロールとリーフとエールに対してクラリス、ウール、ニコラは明日の準備を進めていた。


「ねぇ、クラリス。明日には街に着きそう?」

「うん、着くと思うわよ。次の街で2日位休んだら出発する予定だから、2人もゆっくり休んでね。」


「「イッエーイ!」」


 クラリスの言葉にウールとニコラはハイタッチをした。


 クラリス達の旅は結構順調にきていた。迂回したのが幸か不幸かクラリス達が最初に目的としていた街と妖精の里の入り口との中間地点の街だったのだ。結構短縮出来たと言える。


「じゃあ、明日も早めに出たいわね。この前の街の宿みたいに喧嘩するのはごめんだわ。」

「そうですね。みんなで仲良く寝れた方が良いですし。」

「ええ、なのでニコラ、夜ふかしせずに早く寝ないよ。」


 リーフ達が出来上がった料理を持ってクラリス達の元へ来ながら話に加わる。


「じゃあ、今日と同じく日が昇る前に行くわよ。」

「「「「「うん!」」」」」


 みんなが納得して頷いてた。そして夕食となった。夕食を食べ終わるとウールが買って来てくれた水で食器を洗う。洗ってるのはクラリス、ウール、ニコラである。リーフ達はというとその間に荷物の整理と朝食を用意しておくのだ。


「リーフ、これをそっちの袋に入れておいて下さい。」

「ええ、じゃあフロールはこっちをお願い。」


そんな2人を見てエールは少し疑問に思った。


「ねぇ、フロールさんはウールさんとリーフさんだけ呼び捨てですよね?」

「えっ?そうね。ウールはもうずっといるからだけど、リーフは最初はさん付けしてたんだよ。」


「そうなの?じゃあなんで?」

「リーフと初めて会った夜に呼び捨てで良いよって言われたからですね。たぶん言われなければずっとさんを付けてたと思います。」


「じゃあ、ワタシもリーフさんのこと呼び捨てでもいいですか?」

「いいわよー。私はそっちの方が気楽でいいわ。」

「やったー。じゃあリーフ!これからよろしくお願いします。」

「ふふふ。そんなに喜ばれると嬉しいわね。」


 リーフは少し笑っていると、まじまじとその顔を見ていたエールがいた。


「どうしたのエール?私の顔に何かついてる?」

「な、な、何でもないです。」


 そして少し離れた所で……


「ねぇ、もしかして……」

「うん、お姉ちゃんはリーフさんが好きなのよ。」

「うわー……フロールが場違いだと勘づいてしまった。逃げたいだろうなー……」

(この2人は何の話をしてるのかしら……?)


 ウールとニコラは2人で恋バナ実況をしていた。だが、クラリスはというと2人の話に付いていけてなかった。


 その後、やる事を終えて全員休むのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は11月28日日曜日の15時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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