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33歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「て言うか、なんで私たちと里出なかったの?」


 ウールの質問にエールが答えた。


「ニコラが寝坊したんです。あとは昨日リーフさんが明日の朝って言ってたから昼前かなって勘違いしてたのもありますね。」


「まさか一緒に行きたいなんて思わないもの。だから朝って言ったのよ。それに日が昇る前に行かないと今日中に着かないもの……あれ、2人とも追いつくの早くない?」


 それについてはニコラが答える。


「私たちは人より鼻がいいんだよー。だから匂いを追って来たの。それで大方の方向は分かったから近くまでドラゴンになって飛んできたんだよ。」


 歩きながらも元気に答えるニコラはムードメーカーであった。


 少し歩いてウールがの足取りが重くなってきていた。


「ウール疲れてきてない?」

「一度休む?」

「それなら今日はここで野宿しましょう。日が沈み始めてるし、暗くなる前にテント張らないと明かりをつけながらの作業になるし。」


 フロールとリーフ、そしてクラリスが話しているとエールが声をかけた。


「皆さん、ちょっと待ってもらえますか?」

「ん?どうしたの?」

「折角ならもう少し広い場所にしませんか?ニコラ、ちょっと空飛んで見回してよ。」

「任せてー!」


 ニコラはポンと地面を蹴って枝に飛び移りそのまま上へ上へと行ってしまった、


 ちなみにクラリス達がエールとニコラに乗らないのは2人に頼りすぎるのが嫌なのとニコラのスピードでクラリスとリーフは酷い目に遭ってるから。そして1番の理由はこうやってキャッキャッ言って楽しく旅が出来るからである。


「凄い身体能力ね……」

「ええ、木の枝を折らずに登っていくなんて力加減も上手いわね。」


 リーフとクラリスがニコラの凄さにポツリと呟く。そしてトントンと木の枝を足場にして降りてくる。


「うん、ここから少し先に水辺のある広い場所があるよ。」

「お、それはいいかも。」

「では、ウールさんはワタシが抱えて行きます。足の速さは落ちないので安心してください。」


 その言葉に反応したのはリーフである。


「いえいえ、ウールは私が運ぶわよ。」

「リーフさんじゃキツイでしょー、ワタシが運んだ方が……」


 2人の争いを見て、ウールはというと。


「わ、私はフロールにおんぶされたいなー……」


 自分の希望を言っていた。いきなりフロールに話が飛んでリーフはフロールの方へ視線が動く。


「私がウールを抱えてたらペースが遅くなるから、また今度ね。」


 フロールは三つ巴になるのを避ける為にそうそうに降りた。


「あのー……」


 ニコラはクラリスに話しかけた。


「な、なに……?」

「リーフさんなんであんなに引かないの、お姉ちゃんの事信用してないとか……?」


「いや、ウールはリーフのお気に入りなのよ。」

「えっ、好きなの?」


「たぶん好きなのはここにいるみんなだと思うよ。だけど、同じくらいの実力のエールに取られるとなると嬉しくないんじゃない?」


「なるほど、なるほど、つまり今の関係はウールさんはフロールさんの事が好きで、フロールさんはクラリスさんが好きでリーフさんはクラリスさんとウールさんが好きなのね。」


「なっ!なんでそこまで分かるの⁉︎」

「見てれば分かるわよ。私はこう見えても恋愛相談受けてたのよ!」


「そ、そんな馬鹿な!ニコラが恋愛相談⁉︎1番縁遠い様な……どちらかと言うと戦闘についての相談の方が……」


「クラリスしゃん……私泣きますよー。」 


めちゃくちゃ目を潤ませながらクラリスをみていたニコラにクラリスは謝った。


「ご、ごめんなさい……それでニコラは誰かに恋した事はあるの?」


「今してるよ!」

「えー!それで里を出て来て良かったの?」

「大丈夫だよ。」

「信頼してるんだね。」


 そう言うとニコラはクラリスをじーっと見つめた。


「えっ、な、なに⁉︎」

「……はぁー……クラリスさんは恋には鈍感なんだね。分かってたけど……」


「ど、どういう意味よ!」


 クラリスとニコラが話してる間にリーフとエールの勝負もついた。


「私の勝ちね……」

「な、なんでそんなに燃えてるんですか……ワタシにはついて行けません。」


どうやらリーフが勝ったようである。なんであれエールは負けたのが悔しかったらしく地面に突っ伏していた。


「決まったみたいね。じゃあ行こうか。」


クラリスが話を纏めてようやく出発する。そしてウールはというと……


「じゃあ私の背中に……」


「あー……2人が(じゃ)れてる時に座って休んでたから回復したよ。ありがとう。」


 ウールはすくっと立ち上がるとサクサクと歩き出した。そしてリーフが少し可哀想に見えるクラリスであった。


 少し歩いて日が暮れる少し前に湖の近くに到着した。


「ふぅーとりあえずテント立てましょう。」

「クラリスさん、少し休みましょう。流石に私もクタクタですよー……」


 フロールがギブという事はもちろんウールもダウンしているという事。ウールを見るとリーフにおんぶされていた。


「ふぅー着いたわよ。」

「ありがとう……助かったわ。」


 どうやら途中からおんぶされてたみたいだ。


「じゃあーしょうがない、エール、ニコラ、テント貼るの手伝って。」

「「はーい!」」


 2人がいて助かったと思うクラリスであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は11月7日15時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価よろしくお願いします。

してくれると結構励みになります。してくれた皆様ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。

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