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32歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

クラリス達が里の復興に入って2週間が過ぎた夜……

「お姉ちゃん、今いい?」

「どうぞ…」


暗い部屋の中に居たのはエールである。そして扉を開けて入ってきたのはニコラである。


「お姉ちゃんはどうするの…?」

「どうするって…決まってるじゃない。」

「そうね。私も決めたわ。」

「母さんは許可してくれたの?」

「うん…寂しそうだったけどね…」


姉妹は夜空に浮かぶ月を見ながら物思いにふけていた。

明日クラリス達は旅立つのだ。



一夜明けて、早朝。クラリス達はバースの墓に手を合わせた後、里を出た。昨日の夕方に新たに長となったメージュとヘルの2人には話をしていた。


昨日の夕方里の役場にて……


「明日この里を立ちます。」

「なんと……」

「それはまた急な話だな。」

「すいません。次の目的地は妖精の里なので。入り口が消えるとまた探すのが大変なんです……」

「なるほどな。では今日は宴だな!」

「そうですね。クラリスさん達には感謝しきれませんから。」

「いえ、今はまだ復興途中です。次に来た時復興が済んでいたらその時はお酒でも飲みましょう。」


長2人の提案をクラリスは丁重に断った。


「そうですか……では、次にこの里に来た時に皆さんに誇れる様な里にしておきます。」

「エールやニコラの為にも偶には顔を出してやってくれよ。あの2人結構お前さん達の事気に入ってるみたいだからよ。」

「ええ、そうさせてもらうわ。ではまた。」

そう言うとクラリスは振り返りリーフ達の待つ元バースの家に戻るのであった。


そして、現在に至る。


ドラゴンの里から少し離れて森の中でクラリス達は休憩をしていた。

「ふぅー。疲れたー。」

近くの切り株にウールは腰掛けた。

クラリスとリーフ、フロールは地面にそのまま座った。

「そういえば、メージュさんとヘルさんだけにしか言ってないけど、良かったのかしら……?」

「それは大丈夫でしょ、エールとニコラにも昨日の夕方に話したし。私たちは急がないと妖精の里の扉が閉まっちゃうからね。」

「妖精たちは警戒心強いものね。」

「ええ、人々が狩りをしてたものね。力を得るために。」

「ええ、あの時の光景は今でも覚えてるわ……」


妖精と契約すれば魔法が使える。だけど強い妖精を手に入れる為に人々は妖精を狩り初めた。正しくあれは地獄絵図だったと言える……


「まぁ、今はそれも妖精達との条約で禁じられてるけどね。」

「ええ、人が精霊とは契約してはならないとかね」

「なんでそんな条約が出来たの?」


ウールの疑問にリーフが少し不機嫌そうに答えた。


「まだ大人にもなってないのに契約して弱かったら殺してたりしてたからよ。」


衝撃の理由にウールは言葉を失った。


「で、でもそれなら契約を解除すればいいじゃんなのになんで⁉︎」


悲痛な顔をしているウールの質問に今度はクラリスが答える。


「今もだけど、妖精や精霊が人と契約するという事は一生一緒に着いて行くって事なのよ。解除方法は正当な理由で妖精王が解除の許可を出すか、互いのどちらかが死ぬかだけなのよ。」

「そして、妖精が精霊との契約においては育てる事を目的としているのは知ってると思うけど、もう一つはこれ以上精霊を見殺しにしない為でもあるのよ。」


リーフの言葉に3人は沈黙した。


「ちょっと暗い話になったわね……」

「そうね……もう過去の話だし、辞めましょう。」


空気を読んでかクラリスとリーフは話題を切った。


「そうですね。少し甘いものでも食べませんか?昨日お芋のスイーツ作ったので食べましょう。」

「いいねー。食べよう!」


フロールの作ったスイーツをみんなで食べてみる。

「あっ、美味しい。」

「フロールってスイーツも作れるんだ。お料理なんでも出来るのは助かるわ。クラリスが何もできないから……」

「あはは……」

「今度私にも教えて。」

「ふふふ。良いわよ。」


さっきまでの空気が消えて楽しい雰囲気に変わった。その後少し休憩して出発しようとした時だった。


「ちょっと待って下さい!」

「私たちも連れてって下さい!」


クラリス達が振り返るとそこにはエールとニコラがいた。


「えっ、なんでここにいるの?」

リーフの疑問に2人は答える。

「私たち強くなりたいんです。」

「クラリスさんとリーフさんの戦い見てて里にいるより付いて行った方が強くなると思いました。親の許可はとりました。」

「「なので、よろしくお願いします。」」

「ちょっと、私は許可してないんだけど⁉︎」

「そうよ。やめて置いた方が良いわよ。クラリスといると厄介事ばっかりに付き合わされるわよ。」

「リーフはなんで私にまで攻撃して来てるの?関係ないじゃん!」

「良いんです。ワタシ、クラリスさんのそういうところ学んでいきたいんです。」

「そうそう。それに私も目的があるの。」

「目的って?」

「私を殺そうとした人間を探す事です。もちろん恨みを返すなんて事じゃありません。負けたままじゃいられないから……だから探して勝ちたいんです。」


2人の言葉を聞いてクラリスはリーフたちにアイコンタクトを送る。

リーフはやれやれという表情、フロールはお任せしますって目が言っている。ウールはフロールが良いなら良いという顔だった。


「はぁー……分かったわ。ただし一応私があなたたち姉妹の保護者になるわけだから勝手な事はしない事。破ったらお仕置きだからね。」


クラリスはツルで出来たムチを取り出してみせた。それでも2人は連れて行って貰えるのが嬉しいのかクラリス達に抱きついた。


「ありがとうございます。これからよろしくお願いします!」

「よろしくね!」

「いいからどいて重い……」


こうして新たにエールとニコラが仲間になるのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

そして、この前時間を区切って投稿したところ土日は15時、16時台がアクセス数が多い事が分かりました。


なので更新時間は土曜日、日曜日は15時にします。

もし元の21時が良いと言う方が居ましたら言って下さい。変更を求める声が多い場合は変えますので遠慮なくどうぞ。水曜日は21時のままにしますのでよろしくお願いします。


それでは次回更新日は11月6日15時です。

お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。


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