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24歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「うわーー!負けた!」

観衆が帰った後、ニコラは今悔しくて泣いていた。


「なんか……罪悪感が……」

「何言ってるの、元々勝負を仕掛けてきたのは向こうなんだから気にする必要ないわよ。」

クラリスは泣いてるニコラを見て罪悪感を持っていたが、そんな心配は必要ないとリーフに言われた。そして、先程まで呆然としていた。フロールとウールが近づいてくる。


「クラリスさんって格闘術も使えたんですね。」

「ええ、驚いたは……あんなに強いなんて思ってなかったもの……」

「ふふふまぁね。500年も生きてるといろんなものをやる機会があったから。でも、まだまだよ、師匠を超えれてはいないからね…」

「クラリスさんのお師匠さん。どんな方なのかしら?」

「会わない方がいいわよ。私はお勧めしないわ。」

「リーフはボコボコにされたもんね。」

「うるさいわね。クラリスも最後までボコボコにされてたくせに!」


クラリスとリーフが痴話喧嘩を始めてしまったので、フロールたちはエール姉妹の所へ行く。


「ニコラさん、怪我はしていませんか?している様でしたら治しますよ。」

「大丈夫ですよ。このくらいの傷はドラゴンにとってはなんて事ないので、」

ニコラが未だに泣いている為、代わりにエールが応えた。


「まぁ、ニコラには良い勉強になったと思うわ。」

「そうなんですか?」

「ええ、この前は死ぬ寸前まで戦っての負けでした。あの後この子にどう負けたのかを聞いたのだけど、分からなかったそうなの。突然攻撃を受けて谷底に落ちたそうなのよ。そして気がついた時にはあの洞穴だったみたい。」

「そうなのね。洞穴に連れて行ったのはエールさんですよね?」

「ええ、だから何も分からないうちに負けてしまったの…」

「不意打ちをされては何も出来なくて当たり前かも知れませんよ。」

「そうね、だから心配してたの。このまま戦わずに生きていくのではないかと…でも、ドラゴン族は戦闘を好む種族…それはあまりにも酷な選択なんです。」


エールは少し泣き止んだニコラを見ながら話していた。

「でも、そんな心配はなさそうね。負けても悔しいって言えてるんだもの。まだまだ伸びるわね。きっと…」

「そもそも、力試ししてる時点で大丈夫だったのでは?」

「そう思えるでしょうけど、家に戻ってのあの子はどこか抜け殻で、私が誘わないと部屋から出てきてくれなかったから…昨日もそうだったんですよ。そして、フロールさんたちの前では元気なふりをしていたけど、家に戻ると再び抜け殻になってたんです……」

「だから今日はここへ連れて来たのね。」


黙っていたウールが話に入った。その答えにエールは頷いた。


「ええ、少しでも身体を動かして自信を取り戻せればと思っていたのだけど、負けてもっと大切な物を学んだみたいね。」


バースに頭を撫でられ、ようやく落ち着いたニコラに向かって歩いていくエール。その様子を優しく見守るフロールとウールだった。


一方その後ろでは…

リーフとクラリスがまだ痴話喧嘩をしていた。そろそろ止めないと魔法合戦が始まる可能性があった為、2人の仲裁に入るフロールであった。


「もぉークラリスさんまだ膨れてるんですか?」

「別に、そんなんじゃないもん…」

「良いじゃない、どうでも。リーフもいい加減機嫌直しなさいよ、」

「私ももう怒ってないわよ。」

そんな事を言いつつも2人とも顔を背けていた。

「ほっほっほ、喧嘩するほど仲が良いと言うからの。その内仲直りするじゃろ。」


……

クラリスもリーフも夕日のせいか頬が少し赤く見える。


「「あのっ!」」

「いいわよ、先に…」

「じゃあ、さっきはごめんなさい。リーフの気持ち考えてなくて。」

「わ、私の方こそムキになってしまったわ。ごめん…」


照れ臭そうに目を背けていたが、同時に目が合いクスクスと笑い始めた。


「やっぱり喧嘩してるより笑ってた方がいいわね。」

「そうね、私たちはこうやってた方が良いわね。」

「じゃあリーフこれからもよろしくお願いします。」

「ええ、よろしくクラリス。」


2人は固く握手をするのだった。


「じゃあ帰りましょう。夕飯は私が作りますから!」

「ちょっとフロール、まだじっとしてた方が良いわよ。」

「ふふふ。良いんです。クラリスさんの戦い見てたらなんだか元気になれたから。」

「それでも……」

「それにリーフには戦利品があるじゃないですか、クラリスさんが勝ちましたし。」

「あっ!そうだった!ウール!」

「あっ、いや、あれはそのー……」


エールはなんとか誤魔化そうとするが良い案が出てこない。


「私が夕飯作ってる間はウールを好きにして良いですよ。」

「本当!それじゃあ仕方ないわね。フロールの意思を汲み取って、私はリラックスタイムに入るわ!」

「ちょっと、落ち着いてリーフ!私を好きにして良いって言ったけど、貞操くらいは守らさせて。」

「そうね、夜にお楽しみはとっておかないとね……」


リーフの目は完全に据わっていた。

ウールはもう逃げられない事を悟ってしまった。だが仕方ないのだ、自分で言ってしまったんだから…なので今日ウールの身に何が起こってもクラリスとフロールには関係ないのだ。

責任を果たすのも学ばないといけないから……

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は少し時間をずらしますので注意して下さい。

次回更新は10月30日の午前0時です。


理由としましては深夜の方が読んで頂いてる方が多いからです。もちろん読みにくいなどありましたら受付ますので言って下さい。全ての意見に反映はできないので予めご了承ください。


それでは次回をお楽しみに!

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