21歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
夕ご飯を食べ終わった後、今後の話をした。
「フロールさんの話を聞いた事ですし、私は一度天界に戻ります。この件は上の判断を仰ぐ必要がありますから。」
「審議はどのくらいかかるでしょうか?」
「分かりませんね、天界も一枚岩ではありませんので…」
「そうですか…」
「ですが、必ず犯人は捕らえます。これは妖精界の信用を失わせる愚行ですからね!お任せ下さい!」
レーサは拳を握りしめてクラリス達に約束してくれた。
「それで、私たちはこれからどうするの?レーサさんが戻るまでここにいるの?」
ウールの疑問にレーサは答えてくれた。
「皆さんは自由に旅を続けて貰って構いません。私たち神はあなた方がどこにいるのかわかりますので。」
「そうなのね、分かったわ。」
「ええ、特にクラリスさんはあの女神のお気に入りですからね。」
「あの女神って…誰ですか、クラリスさん?」
(あ〜そういえば、フロールとウールには話してなかったな…)
この瞬間、今夜クラリスは寝られない事が確定した。
「あの2人はほっといて話を戻しましょう。」
「そうじゃな…後で伝えればよかろう。」
「そうですね。では後で伝えて下さい。」
こちらの3人はクラリスを見捨てて話を進める。
「それじゃあ私たちは一週間くらいはこの里にいます。フロールの回復の仕方では多少前後しますが。」
「分かりました。では何か分かった時はまたあなた方の元へ参ります。」
「ありがとうございます。バースさん、この里に宿はありますか?バースさんの家にいつまでもご厄介になる訳にもいけないので、」
「ほっほっほっ!気にする事はない。好きなだけ居なさい。」
「でも…」
「なーに、老竜の1人暮らしも寂しいからの。お前さんらがいると家も明るくなる。」
「そうですか…?では、お言葉に甘えさせてもらいますね。」
バースがここに泊まって良いという言葉を貰った為、ウールは独断で決める事にした。
その隣ではまだクラリスがフロールに対して弁明をしていた。もうすぐ日付が変わるというのに…
結局クラリスの説明は明け方近くまでやっていたのだった。
「それでは私はこれで。」
「「「よろしくお願いします。」」」
朝食を摂り終わるとレーサは帰って行った。天界へ戻って今回の報告をしなければならないからだ。
クラリスたち3人はレーサに挨拶をして、家の中へ戻った。フロールは再びベッドへと戻って眠ってしまった。バースは現在の長の所へ行っており、今はクラリスとウールが椅子に座って談話をしていた。
「でも、神様だからてっきり羽を広げて空へ登っていくと思ってましたが…」
「普通に空間に歪みを作って帰ったわね…」
「クラリスはあれ出来ないの?」
「あれは無理よ。自然界の6属性と樹木だけの契約ではね。」
「そうなんだ。でも、その言い方だとやり方は知ってるのねよね?」
「まぁ、一応は…」
「どうやるの?」
「時間と時空を司る女神との契約、もしくはそれに準ずる妖精との契約ね。でも、今のところ妖精でそれを使える子は居ないみたいよ。」
「人って不便ね。契約してないと魔法一つ満足に使えないんだから。」
「そんな事ないわよ。魔力があれば魔力の壁は作れるし、魔力弾も使えるわ。そこに属性という色をつけるのに妖精や精霊の力を借りてるのよ。」
「なるほどね、でもその考えでいくと人間は私たちを道具にしか見てない様にも思えちゃうなー。」
「まぁ、そういうふうに思ってる人もいるでしょうね…でも、私は妖精もドラゴンもエルフも全てこの世界で生きてる仲間だと思ってるわ。もしウールが誰かと契約する時が来たらその人をしっかり見極められる様にしなさい。」
「人間のクラリスに言われると…やけに説得力があるわね。でも、参考になったわ。お昼は何にする。昨日の鍋の残りでいいでしょ?私たちじゃあ大した物は作れないんだから。」
「…なんか腹立つけどその通りだから何も言えないわね…」
2人で昼ごはんの話をしているといきなりドアが開いた。
「ただいま!」
リーフである。
「「おかえり。」」
「どうだった?」
「どうもこうもないわよ!妖精王ブチギレよ!昨日天界に殴り込みをかけに行ったわ。」
「マジか…」
「私はまだ会った事ないんだけど、どんな妖精なの?」
「えっ?ウール会った事ないの?」
「ええ、私はなんなら妖精の里にも行ったことないわ。」
「嘘ー!クラリスですら来たことあるのよ。」
「私は樹木の契約だったから…」
「じゃあ次の行先は決まったわね。」
「でも、あそこは滅多に開かないでしょ?」
「大丈夫、次に開く日時と場所は聞いてきたから!」
「じゃあ決まりね。」
「2人で話を進めないでよ、何処行くの!」
「決まってるじゃない!」
「「妖精の里よ!」」
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は10月23日土曜日の21時です。お楽しみに。
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