120歩目
リーフ達は構えて鬼蜘蛛を迎え撃とうとしていた。しかし……
「「なっ!」」
鬼蜘蛛はフワッと浮かんでリーフ達を飛び越えた。
「ごめんねー、お姉さん達と遊んでる暇はないんだ。」
「なんだと⁉︎待ちやがれ!」
ナルカミが叫んで追おうとしたが鬼達に囲まれてしまった。
「ねぇ、なんで私たちを殺さなかったの?」
リーフは疑問に思ってた事を殺気を込めて鬼蜘蛛に問いかけた。
「なんでって?あの金髪のお姉さんが悲しむでしょ?」
「それだけ……?それだけなの?それだけの為に私たちを殺さなかったの?」
「うん!あのお姉さん好きだから殺さないよ。あの子の周りの子もね。」
「でも、今はあの子はあなたの敵よ。」
「みたいだね、だから適当に痛めつけたらオオクニヌシの首を貰うわ。」
ニコニコと笑いながら霊山を登っていく鬼蜘蛛。しかし追う事の出来ないリーフ達であった。
「おい、どうすんだ?」
「どうするって?コイツら倒して追うわよ!」
「お前が行っても意味ねぇーだろ。」
「じゃあアンタを山の上まで飛ばしてあけるわ!」
そうして2人は鬼へと飛び込んだ。
「はああぁぁぁぁ!」
「うおらっ!」
リーフは2本の木刀をナルカミは短刀2本で戦っていた。
「相変わらずの馬鹿力ね。その短刀でよくやるわ。」
「お前こそ、木刀でよくやるよな。」
お互いに笑いながら構える。
「ねぇ、どっちが多く倒せるか勝負しない?」
「おっいいな!勝った方が次の飯奢りな!」
「いいわよ!それじゃあ行くわよ!」
そうして再びリーフ達は鬼達へと向かって行った。
一方クラリス達は山頂へと到着していた。
「山頂も殺風景ね。」
「雪が積もってるわね。」
「というか雪が降ってるってすごいわね。」
「溶かそうよー寒いから。」
「そうね。ニコラお願い。」
「はーい!」
クラリスにお願いされて火炎を吐くニコラ。するとあっという間に雪が溶けていった。
「なかなか地面まで行かないわね。」
「たぶん人がここに来ることがないので手入れもされていないのでしょう。おまけにこの寒さです。雪が溶ける事もなかったんでしょうから相当深いと思いますよ。」
フロールの説明を受けクラリスはニコラを止めに入る。
「ニコラ無理しなくていいわよ。まだ戦闘があるんだから。」
「はぁはぁ、うん、全て終わったらまた挑戦するわ。」
「いや、しなくていいから!」
息を切らしていたがまだまだやる気があるニコラにウールがツッコミを入れるのだった。
再び霊山のふもとのリーフ達……
「はあぁぁぁぁぁ!」
「うおりゃー!」
2人ともボロボロであったが、鬼達はガッツリと減っていた。そして2人は背中合わせで息を整えていた。
「だいぶ減ったわね。」
「ああ、お前は今何体倒した?」
「私?私はもう千は超えてるわよ。アンタは?」
「俺も千は超えたぜ。」
「そう。じゃあそろそろ魔法を使いますか。」
「そうだな。じゃあ先にやるぜ!雷よ!鬼どもを焼き払え!」
ナルカミこ詠唱により空から雷が落ちてくる。
「俺は焼いた鬼が点数な!お前は違う方法でやれよ。」
「ふぅーん。じゃあ焼けてなければ全て私の点数なのねー」
ニヤついた顔でリーフは詠唱を開始する。
「風の刃よ。我が敵を撃て!エアカッター!」
リーフの詠唱でつむじ風が起こり鬼達を切り刻んでいく。更にリーフの魔法は続く。
「水よ、氷結し敵を閉じ込めよ!アイスロック!」
今度は鬼数体が氷漬けにされた。
「うぉ、マジか。お前また魔法増えたのか?」
「魔法も体術も日々の鍛錬よ。さぁ火魔法以外でガンガン倒して行くわよ!」
そうしてある程度倒し終わる頃に異変が起こる。
「何よ、あのデカブツは……?」
「ありゃー鬼か?」
「……オレノ……ナカマ……ダレガコロシタ……」
「知能のある鬼みたいね。」
「アイツは少しやるかもな……」
そのデカさはリーフ達の2倍はあった。鬼の右手には棍棒を、そして左手には盾を持っていた。
「どうやら、ここからが本番の様ね」
「みたいだな。」
2人は剣を持ち再び構えた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
5月一杯は週一投稿させて貰ってます。ストックが回復次第週三に戻すのでお待ち下さい。
次回更新は6月1日水曜日の21時です。お楽しみに!
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