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鬼人の里⑤

俺は今シルフィーと離れて半十郎さんをはじめおじさん達に囲まれて酒を飲んでいる。


ふと離れたテーブルに居るシルフィーを見ると女性たちに囲まれてきゃっきゃうふふと楽しそうにお喋りしてる。俺もそっちに加わりたいが今は仕事の話と俺からお世話に成る人への対応しなければならない。


俺はマルチタスクでシルフィー達の会話も聞き耳を立てながら半十郎さんの話を聞いていた。


「男鹿殿、明日には関西特殊化学の社長が逮捕される。だが90%買収作業はイブ様主導でモルダー銀行の方たちが済んでいる。社長の奥さんへの接触は明後日以降になるが中国企業より先に接触を図り創業者一族の抑えも万全だ」


「イブから聞いていたけどそこまで万全とは」


「今の社長は婿なのに馬鹿な事をしたもんだ」


「確かに最初はハニートラップだとしても自制が出来れば会社の金と借金で70億近くの金をドブに捨てたんですからね」


「それで我々は十兵衛とは別に男鹿様のご家族と社長の奥さんと娘に警護を付ける」


「そこまで警護が必要ですか?」


「金を貸した中国企業は軍部のダミー会社じゃ。今回の一連の騒動は軍部が関西特殊化学で開発中の次世代ステルス塗料技術情報から始まっている。いくら社長だからと言っても詳しい技術情報は持ち出せなかったようだ」


「あそこは先代の社長がセキュリティーに力を入れていたのは有名でしたからね」


「そう社長で有っても技術情報にアクセスできない仕組みに成って致し、株主を説得するにしても不可能だろう」


「それでじゃ、軍部が絡んでいて失敗したとなれば奴らどんな手でも使って来る可能性が高い」


「そうですか、鬼人の皆様にはご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします」俺は頭を下げた。


「男鹿様頭を上げて下さい、これは我々の仕事です。それに今回ご家族は教われないでしょう、ただ安全の為の処置で有って本命は社長の奥さんと娘でしょう。株を持っているのは奥さんです離婚されてしまえば相続で手に入れた株は財産分与に当たらないので手が出せなくなります。しかし離婚する前に奥さんが死亡してしまうと社長と娘に相続されてしまいます」


「それで社長の借金で会社の株を手に入れるのですね」


「下手したら娘も一緒に殺されるかもしれません。それに奴らは社長逮捕の影響で株を買い占めるつもりの様です」


「イブに情報が筒抜けだから奴らは安く成ったところを買うつもりだろうがこちらは安く成る前に買い占めてしまうし創業者の株もある程度抑えて有るからね」


「男鹿様は最後の調印式まで何もする事が無いかもしれませんが初陣は我らにお任せ下さい」


「俺もその方が助かるけど、絶対にこちら側に怪我人すら出さないで下さいよ」


「怪我する様な奴が居ればわしが介錯してやるから」


なんで怪我したくらいで殺されなきゃ活けないんだよ、まったくここにも居たか脳筋。


しかし、シルフィーの方は楽しそうだな。あの女の子が十兵衛さんの子供かなまだちっちゃいんだな。


姉が5才で来年小学校か妹は3才か、可愛いな俺はロリコンじゃないけど子供は可愛いな。


寧々と鈴は年長者に怒られながらも東京が楽しみでしょうがない様子、シルフィーもまだ東京初心者だから一緒に遊ぶのが楽しみなんだろうな、年齢的にはシルフィーはまだ高校3年生だもんな友達と遊びたい年頃だ、寧々たちと一緒に遊ばせてあげよう。


しかし俺は接待を受ける側だと思うんだけど何の罰ゲームだよ。俺はある程度酔うとアルコールが自動で分解されるので酔い潰れる事は無いけどどんだけ飲ますんだい。グラス半分無くなると注がれ、しかもそれが一人じゃない周りのおじさん達は当たり前として配膳してる女性も注いでくる。


しかし配膳の女性は良く気が付く、手元のつまみが無くなるとさっと新しい物が用意さっれるしとても心地が良い。さすが九州の女性は怒らすと怖いけど気が利くし男を立てる、九州男児なんて言葉が有るがあれは絶対女性が上手く転がして作った物だろう。


おじさん達からちょっと面白い話を聞いた桃太郎の話だ。


桃太郎は地球人どころかこの銀河系の人間でも無いらしい、話としてはスーパーマンに近いのかもしえないが未だに桃太郎がどこから来たのかは不明らしい。


ただ桃太郎にはこの地球は異世界に行った勇者の如くチートだったらしい。


そんな力が有って戦乱の時代だから奪う事は当たり前の世界、倫理観なんかありゃしない。


桃太郎もそんな世界で暮らして来たから富は奪う物と教わって来た。そんな時に鬼人の先祖たちは他の者たちより裕福な生活をしていた。


もちろんそんな生活をしていれば狙われて当たり前だが鬼人達は強かった。


そんなある日桃太郎に村を襲われた、何人もの鬼人が殺され富を奪われた。


生き延びた鬼人たちは村を捨て九州に逃げてこの町を作ったそうだ。


桃太郎は富を得てめでたしめでたしでは無く、富を持ち帰ったばかりに盗賊に目を付けられ、桃太郎が留守の間に育ての親で有るお婆さんとお爺さんを殺され村には火を放たれ村は壊滅されていた。


しかも桃太郎が気が付いたのは三日後だった、その間桃太郎は何をしていたのかと言うと鬼人から奪った金で酒に女に遊び呆けていた。


それから桃太郎は盗賊を壊滅させた後、人々の前から姿を消してそれ以降桃太郎を見た者は居ないらしい。


桃太郎も時代が違えば倫理観が芽生え人から物を奪う事をしなかったかも知れない。


そんな話を聞いて昔話は時代によって解釈は変わるし、もし責めて江戸時代くらいに桃太郎が日本に来ていればもうちょっと違った事に成って居たかもしれない。


しかし他銀河から来たチートな奴ってもう地球来ないだろうな、なんかこれてフラグじゃ無いよな勘弁してよ。




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