家電を買う
すみません遅くなりました。
皆さん年末で忙しいと思いますがお体にご自愛下さい。
今日は昨日救出劇で帰って来たのが遅かったので、お昼まで寝かせてもらった。
目を覚ましてリビングに行くとシルフィーが何やら料理をしていた。
「おはよう」
「おはようございます。時間通りに起きましたね。ご飯出来てますので顔を洗って来て下さい」
シルフィーもすっかり日本の生活に成れたのか化粧やファッションがすっかり日本風に成って来た。しかも最近ではネットで料理まで研究してるようで家で料理を作ってくれる。
今日のブランチはチーズオムレツとサラダとスープとパン。
パンは近くのパン屋のパンでスープはパックのスープを温めただけ。でもチーズオムレツは成功した物を俺に渡し俺の3倍以上有るぐちゃぐちゃのオムレツってよりも炒り卵がシルフィーの皿によそわれている。
「おお、美味しそうだね」
「まだ慣れてないから失敗したけどレイジさんのは上手く出来たと思うので食べて」
俺は最初にオムレツを食べるとちょっと火を通し過ぎな感じはするが上手いと思う。
「オムレツ美味しいよ、頑張ったね」
「ホント?良かった。でもオムレツ以外は温めてお皿に盛っただけなの」
「でも嬉しいよ。お城では何もさせて貰えなかったのに料理も掃除もしてくれるなんて」
「それぐらいやりますよ。だって奥さんに成ったんですから」
「そっか、でも無理しないでくれよ」
「無理なんかしてないよ。掃除だって便利な道具も有るし狭いから直ぐに終わるし。洗濯だって洗濯機がやってくれるからね」
そりゃシルフィーが住んでいたお城の部屋より狭いけど、慣れない家事を頑張ってくれているんだな。
「でも無理しないでな。ゆっくりで良いんだよ」
「はい。新しいお家に引っ越したらまたお母様にお料理習うんだ~」
「母さんに習わなくても料理を習いたいなら料理を教えてくれる教室に通っても良いんだよ」
「ネットで見て知ってるけどまだ料理教室に通えるレベルに達してないからレイジさんとお母様に教えて貰いたいの」
そんな話をしながら食事をとりシャワーを浴びて、インテリアの打ち合わせの為に青山に有る事務所に向かった。
事務所に着くとお洒落な事務所の打ち合わせ室に案内され、直ぐに高橋さんと女川さんが入って来た。
「男鹿様、お待たせしました」
「こんにちは、今日もお願いします」
それからモニターに映し出される部屋の様子にシルフィーの大興奮の中打ち合わせをして、2人共納得が出来たので契約を結びお願いした。
「ありがとう御座います。俺の希望のホテルみたいな内装にしてくれて。それにバイオエタノール暖炉をうまくとり入れてくれて気に入りました」
「私もお花を飾れる場所を作ってくれて、それに観葉植物を追加してくれて大満足です」
「ありがとう御座います。これからも満足頂ける様に頑張らせて頂きます」
俺達は2時間に及ぶ打ち合わせで内装はすべて決まり、来週の水曜日には引っ越し出来る事に成り、それに合わせて家電を買いに行く事にした。
古い家電の内洗濯機は妹にあげることにして、その他の家電はもう古いので売るか処分しようと思うので新しく買う事にした。
シルフィーは家電量販店に来るのが初めてで、また目を輝かせながらきょろきょろしてる。
「すごいですね。これ全部魔道具ですか?」
「電化製品な~。この世界に魔道具なんて無いから」
「あっそうでした」
「まずは冷蔵庫と洗濯機を買いに行こう」
白物家電と言われるフロアーに来てみると、最近はカラフルでとても白物家電とは言えない。
俺は店員を捕まえ案内を頼んだ。
「新居を買ったので家電を全部揃えたいのですが」
「おめでとうございます。分かりました。違うフロアーの物も私が案内いたします」
まず案内されたのは冷蔵庫売り場。
「新しいお住いのお部屋に入るサイズは分かりますか?」
「はい、今日内装の打ち合わせもしてきたので図面が有ります」
図面を店員さんに見せると何故か興奮してる。
「すごいお部屋ですね、リビングダイニングに60畳も有るなんてすごいですね、これなら大型冷蔵庫を余裕で置けますね」
「冷蔵庫はサブキッチンに業務用が有るので容量より機能でお願いします」
それから冷蔵庫とドラム式洗濯機を決め、電子レンジと炊飯器等キッチン家電も買った。
他の階に移動してる時にシルフィーの為にイオンドライヤーや美容家電を買った。
美容家電に少し興奮したシルフィーを見ながら俺も新しいシェイバーを買い、それからは歯止めが効かなく成り欲しい物は何でも買った。
テレビも85インチを2台と65インチを2台買った。もちろんサウンドシステムも一緒に買った。
結構高額に成ったが満足したので会計をしてる時に思い出した。
「あの家たしかキッチンにオーブンレンジが付いてたはず、失敗したけどまいっか」
シルフィーは美容家電とミキサー等のキッチン家電が気に入った様で俺の話なんか聞いて無かったので、有ってもスチーム機能が有るから多分使えるだろうと気にしないことにした。
店を出るとすっかり外は暗くなっていて、帰ってから夕食を作るのも面倒なので外食をして帰る事にした。
「シルフィー、今日の夕食はこのまま外で食べて行こうと思うけど何が食べたい?」
「うん~今日はお肉が食べたいな」
「肉か~それなら焼肉屋に行くか?」
「焼肉?」
「美味しいぞ。俺は一緒に飲みたいから一回家に車置いてから行こう」
「分かった。私もちょっとお酒飲みたい」
「でもまだシルフィーは未成年だからなダメだよ。俺のをちょっと飲ませてあげる」
「ビールは苦いから要らないよ」
そんな事を話しながら自宅に車を置いて近くの焼肉屋に向かった。
俺はセンマイ刺つまみにビールを飲んでいるがシルフィーにはセンマイは不評で、辛そうなたれとグロテスクな見た目でダメだった。
しかし最初に運ばれて来たタン塩が気に入ったのか、自分で焼けるのが気に入ったのか一生懸命焼いていた。
しかしこの店は別に高級店と呼ばれる店ではない。普通の個人経営の焼肉屋さんで、朝鮮人のおしさんおばさんとバイトの女の子だけの小さな店だ。
しかしこの店は美味しい物が多いしアットホームだ。常連でいつも混んでいるから繁盛はしてるようだが、店構えはとても綺麗とは言えない。
しかもこのおばさんは若い子が来ると色々サービスしてしまう。俺も最初に来た時に若いんだから食べなさいって色々な物を食わせて貰った。その時初めてケジャンを食べさせて貰ってあまりの美味しさに通ってしまった。
しかも色々出してくれた料理は一切料金に含まれて無かった。それから俺はこの店に良く通っている。
「今日はずいぶん若い彼女連れてるじゃない」
「あぁ、彼女じゃなくて奥さんなんですよ」
「あら結婚したのおめでとう。可愛い奥さんもらちゃって。今日は冷麺サービスしちゃう」
「いつもすみません」
シルフィーも何か言おうとしたが何を話して良いのか分からない様子で「すごく美味しいです」とだけ返した。
「お肉は何度もひっくり返さないで片面ずつ焼くのよ」
「分かりました。ありがとう御座います」
「奥さんはいくつなの?」
「私は18歳です」
「あらやっぱり見た通り若いのね。未成年じゃお酒で乾杯出来ないもんね」
「私の国では16歳からお酒良かったのに」
「可愛そうだけど日本の法律では20歳からって決まってるからね。昔はそんなにうるさく無かったけど最近はうるさいからダメなのよ」
「確かに俺が大学に入ったころは歓迎会で未成年なのに飲まされたからな~」
「売ったり飲ませたお店が処罰されちゃうからね」
「確かに最近じゃタバコ吸ってる高校生も見なく成ったな」
「そうよ、お酒とたばこは20歳に成ってからよ」
「はい、我慢します」
それからタンから始まりカルビやハラミ等とごはんやサンチュでお腹いっぱい食べたシルフィーは、冷麺を食べる余裕が無くなり悔やんでいた。
俺はビールで焼肉をつまんでいただけなので余裕で食べられました。
散々食って飲んだのにお会計は1万円で良いと言われてしまい、俺がちゃんと払いますって言ったのに結婚祝いだと思ってと言われてしまい、1万円札だけ置いて帰りました。
しかしあの店いつもサービス価格でつぶれないか心配だ。
俺はシルフィーと二人でのんびり歩いて帰るが、シルフィーはお腹がいっぱいなのかしきりにお腹をさすっている、まったくどこの妊婦だよ。




