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魔女っ娘イブ

皆さん季節の変わり目です風邪には気を付けましょう。

俺は日曜日に寝込みました。

夕食に家族で中華料理を食べ、シルフィーがあまり辛い物が得意で無い事が分かったが、概ね喜んで食べていた。


母さん達と別れ俺とシルフィーは家に帰って来た。


「シルフィー疲れただろう。先にお風呂入って良いよ。お湯がたまったら入れるから」


「は~い♪ありがとう御座います」


「しかしシルフィーごめんな。あんな親で疲れただろ?」


「確かにちょっと疲れましたけど、お父さんとはあんまり話せませんでしたけど良いお母さんです。レイジさんのお母さんだけ有って優しいですし、夏美さんも優しく色々教えてくれてとっても楽しかったです」


「そうか。妹の夏美は末っ子で我儘だから気を付けろよ」


「私も末っ子ですよ」


「シルフィーは俺に我儘を言わないじゃん」


「そんな事ないですよ。いっぱい我儘いってますよ。例えばレイジさんに付く侍女は若い子じゃなくてベテランだったり」


「あっ、それで俺が城に居る時、侍女長が付いたりしてたのか」


「そうですよ。私は焼もち焼きで我儘なんですから」


お風呂の知らせが鳴りシルフィーがお風呂に行ったので、親友達に結婚式に来てほしいと連絡を送る事にした。


結婚式をお盆休みにハワイでするから出席して欲しいと連絡したところ、藤堂斗真以外直ぐに返事をくれた。


俺はこの間の合コンの時に皆に言わなかったことを責められたが、訳あって離れ離れに成っていたが彼女が日本に来てくれた事を話した。


それで家も新しく買ったので引っ越し祝いもかねて今度顔合わせすることにした。


それと皆も斗真に最近連絡がつかないらしい。どこかの製薬会社に就職した事は聞いたらしいがそれから連絡が付かないらしく、斗真の事だからどっかの研究所で引き籠ってるんだろと笑い合った。


とりあえず連絡の付いた親友達は皆参加してくれると言っていたので良かった。


『レイジしゃん、今いいですか?』


「大丈夫だよイブ」


『僕やっと全世界のネットワークに潜入出来たよ、そして褒めるのじゃ~』


「イブ、何か喋り方可笑しくない?」


『僕は魔女っ娘イブに成ったのだ~アバターも作ったからスマホ見て見て』


スマホの画面には3頭身の女の子がピンクのフリフリのドレスを着てなんかハートが付いたステッキを掲げてる。しかも頭には狐の耳とふさふさの尻尾が付いている。


「どうしたんだイブ?」


『どうしたじゃないでしょう、可愛いでしょ~』


見ていて頭が痛く成って来た。前に林檎を食べてやらかして今度は日本のオタク文化でやらかして、やっぱイブは業が深いんだなと天を仰いだ。


「イブはもっとクールなイメージだったのに」


『僕はこれから可愛い女の子をめざすのじゃ~』


「なんかキャラが纏まって無い気がするんだけど」


『そんな事ないのじゃ』


「それなら良いけど色々混ざりすぎてると思うけどな。それより全世界ネットワークってどんな?」


『文字通り全世界です。全世界の会社と国家です~。一番大変だったのはミサイル原潜ですかね~。あそこあんまり通信もしないから潜入するのが大変で』


「ちょっと待て、なんでミサイル原潜?」


『だってレイジしゃまが居る日本に核ミサイルなんって撃ち込まれたら大変でしょ。だから日本にミサイルなんか撃ち込んだら僕がそのまま送り返してあげますから大丈夫です~』


「イブは各国の軍のネットワークにも潜入出来るの?」


『できますよ僕えらいでしょ~。それに潜入だけじゃなくて、分体を置いて来てるから常時監視してるし直ぐに乗っ取れるよ』


「マジかよ、イブは人類を滅ぼしたりしないよね」


『当たり前です僕を疑うんですか?ぷんぷんですよ』


各国の軍隊も魔女っ娘AIに乗っ取られるって知ったらやるせ無いだろうな。映画とかだともっと冷酷なAIを想像しているのに画面にイブのアバターが出て来ても多分ミサイルが戻って来るまで信じなさそう。


「ところで今日はどうしたの?」


『そうです。今日はお金が1兆円超えたのと明日警察と情報局の人間が決ますよ』


「警察?」


『そうです警察です』


「何しに来るの?」


話しを詳しく聞くと核テロの警告文の件で来るらしいけど、付いて行ったら当分帰れないし下手したらでっち上げで捕まって監禁されるらしい。


対策としては予知を予知夢と偽り、話は家か人の多いところ以外では会わない事と以後協力しないと宣言すれば折れるらしい。ただそれでも勧誘を掛けてくると思うので断っても問題無いらしい。


それでもしつこかったら潜入してる捜査官たちの情報を盾に使えば大丈夫らしい。


「でもイブ、俺捕まったりしないよね。これから結婚式だって挙げたいしシルフィーと幸せな生活送りたいのに」


『大丈夫です僕が付いてますから。いざと成ったらどっかの国の通常ミサイル撃ち込んで何も無かった事にしますから』


「止めてくれ兄貴も警視庁にいるんだから」


天照様もなんで俺にイブをよこしたんだ。これじゃ気候変動で人類が滅亡する前にイブに滅ぼされちゃうよ。


『じゃ~またなのじゃ~』


「ちょっと待ってくれ。俺の友人の藤堂斗真がどこに勤めているか教えてくれ」


『藤堂斗真しゃんはノヴァグラント製薬ですね』


「そっか転職して頑張ってるのか?」


『転職はしてますが騙されて転職してますね。この製薬会社はカリスト公国の複合体企業で裏では武器輸出やテロ支援や犯罪行為が行われている犯罪集団です。しかも今斗真しゃんはワーウルフの研究を無理やりやらされています』


「居場所は分かるか?」


『分かりますが来週の火曜日まで待って下さい』


「何でだよ?」


『それは来週の火曜日に事件が起きますから、そこで一緒に助け出せばあとあと問題が無いからです。今助けに行けばレイジしゃんが暴れて警察に追われますよ。それにまだ斗真しゃんは研究に疑問はあるようですが普通の研究をしてますから。ワーウルフ関連に携わるのは来月以降です』


「なんでそんな事分かるんだよ?」


『監視カメラ映像で見てますから』


「分かった。しかしあいつ何やってんだよ」


『ちなみに襲撃前にラウルと言う人間と接触して下さい。そうすれば暴れても隠蔽できますから』


「誰だその人は」


『それは会ってからのお楽しみでしゅ』


それから俺はイブが1兆円稼いだことなんか吹っ飛んで、斗真の事や警察の事イブの色んな意味での怖さを実感しながら、シルフィーが風呂から出てくるまで思考の深層まで潜っていた。

お読み頂きありがとう御座います。

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