表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/39

指輪を買う

玄関の鍵を開け中を案内しようとすると、麗華ちゃんはシルフィー手を引き早く行こうと引っ張る。


たった一日で麗華ちゃんと仲良く成ったシルフィーは末っ子だし王族なので今まで子供と接触したかったけど出来なかったから凄く嬉しそうだ。


シルフィーは悪魔との戦争で孤児を支援してきたが、城から出るのは危険だと直接の支援は出来なかった。それでも子供からのお礼の手紙は宝物にしていた。


俺がそんな事を考えながらリビングまで案内すると、他の大人は何も言葉を発せず口を半開きにしてポカーンしてる。


「怜志!このマンションいくらしたんだ!」


「親父落ち着け。別にローン組んだりしてないから心配するな」


「いや別に心配したわけでは無い」


「17億」


「じゅじゅ…17臆」


「まっ、金の話は無しだ」


それから皆色々な場所をみていたが1人テンションMaxな麗華ちゃんはリビングを走り周りガラスに勢い良く体当たりするので、割れないと分かっていても落ちたら大変だとひやひやした。


「怜志、ここで2人で暮らすにしてもあんた掃除をシルフィーちゃんに任せ切りはダメよ」


「2人でも掃除は手が回らないからハウスキーパーを頼むつもりだよ」


「それでも何でもシルフィーちゃんに任せ切りはダメだからね」


「分かってるよ。大事なシルフィーに押し付けたりしないよ」


「聞いたシルフィーちゃん、怜志がぐうたらしてたら直ぐに言ってね。私が懲らしめてあげるから」


まあ~嫁と姑が仲良くしてくれるなら良いけど。絶対に実の息子より大事にしそうだ。


アロナさんが兄貴の嫁に来てから実家での力関係が完全に女性上位に成ったな。


それから皆の多数決で近所のイタリアンで昼食を取り買い物の為に銀座に向かう事にした。ちなみに俺と親父は一緒の意見はしゃくだけど蕎麦を希望したが多数決で負けた。


先ずは銀座の高級宝飾店に行った。この店は一流ハイジュエリー店だけあって入口からして厳つい。


男は後について行くしかないけど兄貴も麗華ちゃんを抱いて細心の注意を払ってる。


俺なんか圧倒されて、シルフィーには気に入ったの選んでと言っておいて後ろで空気に成っていた。


しかし最初はほのぼのと眺めていたが、すごく店員の失礼な態度がムカついて来た。


母さんが2カラット以上の物を見せてくれって言っても商品を出し渋るしシルフィーがはめて見ても直ぐにしまってしまう。俺は頭に来て帰る事にして俺は皆に声を掛けた。


「この店はダメだ、他の店に行こう。こんな最低の店員が居る店で一生の記念に成る物なんて買えるか!」


俺たちを接客していた20代の男の上司なのか30代の女性が飛んできた。


「お客様何か有りましたでしょうか?」


「いや、不愉快なんで帰るだけですよ」


「あなたお客様に何したの?」


「こちらのお客様2カラット以上のダイヤも見せてくれって言うんで……」


「それなら個室に案内するなり私を呼びなさい」


店員は頭を下げ詫びた。俺は普段別に店員の態度が気に入らなければ二度と行かないだけで店員に文句なんて言ったことが無い。俺が文句言ったら何故かビビって俺が逆にいちゃもん付けてる様に見えて嫌だから。


俺たちは広い個室に案内され紅茶とお菓子まで出された。俺はこの時点で他の店を見ないでここで買わなきゃだめじゃんと思う。お金が有っても生まれから王族とは違い一般市民の小心者だ。


「当店にお越しくださいまして有り難う御座います」


頭を下げる店員に俺も恐縮して頭を下げる。


「失礼ですが本日のご予算はお幾らでしょうか?」


「彼女が気に入った物ならいくらでも良いです」


俺は財布からカードを出し。


「これでちゃんと払えますから」


それからはVIP待遇で凄かった。シルフィーも異世界で散々宝石は見て来ただろうがこっちの世界の方がデザインやカット技術がスゴイらしく喜んでいた。


母さんが私もここで買おうかしらって言った時は親父が青い顔してた。


「母さんも買っても良いよ、俺が払ってあげる。シルフィーの料理を教えて貰う授業料として」


「レイにい私も良い?」


「なんで妹に買わなきゃいけないんだよ」


「冗談だよ、本気にしないでよレイにい」


「なんだ冗談か。買ってやっても良いと思ったのに」


その後妹はシルフィーそっちのけで選んでいたが母さんに頭を叩かれている。何をしたんだあいつ。


アロナさんだけ買わないのも悪いのでアロナさんと兄貴に聞いたら、アロナさんは宝石に余り興味が無いらしい。それよりアロナさんもアストンマーティンを運転したいらしい。


流石兄貴より男らしいアロナさん。子供産んでも腹筋が割れててスタイル良くて美人だけど根はやっぱり元軍人で志向が男よりだ。


兄貴の家のリビングにはタボールTAR21のモデルガンが飾ってあるが、日本に来てアロナさんが初めて兄貴におねだりした物らしい。本人は近くにあると落ち着くらしい。


そんなこんなでシルフィーは婚約指輪と結婚指輪を買った。妹は指輪を母さんはネックレスを選んだ。最初は母さんは安い物でも選ぼうとしていた様だが元々ハイジュエリーの店だけ有って遠慮してたけど俺の説得で買う事に。


ちなみに妹が頭を叩かれてたのはびっくりする位の物を買って貰うつもりでいたらしいから窘めたとの事だ。


それから家族で買い物をして家に帰ったが、指輪のお礼か妹がシルフィーにファッションをアドバイスしてくれ、ファストファッションのお店で普段着等色々選んでくれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ