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続シルフィー実家に行く

兄貴と異世界の話をしていると、噂だけど第9公安捜査部ってのが有って捜査官は全員異能者でその中には魔法や超能力を使うらしい。何を捜査してるのかどれだけ人数が居るのかも上層部しか知らないらしい。


ただ兄貴が言うには確実に何か得体の知れない者が居て後始末をしている事実は公然の秘密らしい。


それと情報局にも同じような部隊が居るらしいから、家族には俺とシルフィーの事は絶対に外には漏らせない。


そんな話をしているとふと核テロの事を思い出して兄貴に聞いた。


「お前馬鹿だろう。公的機関に何度もメール送ったら身分証が要らないネットカフェだって近隣の監視カメラを調べればお前にたどり着くぞ」


「マジ、でも俺は何の犯罪も起こして無いよ?」


「予知能力なんて持ってたら利用しようと思って、下手すればでっち上げで逮捕してくるかもしれないぞ」


「うわゎ~どうしよう」


「とりあえずもうメールは送るな」


「分かったけど逮捕やシルフィーになんかしたら俺は本気でそんな組織潰すよ。物理的な意味で」


「物騒な事は止めろよ。俺は良いとして母さん達まで被害が及ぶぞ」


「俺もう我慢するの辞めたから。向こうでも人類を裏切って悪魔の手助けする人間が居て、人間だからって殺すの躊躇ってたら仲間が殺されたんだ。殺られる前に俺は殺るよ」


「お前本当に異世界に行って変わったんだな」


「シルフィーが居なければ俺の精神は持たなかったと思う」


兄貴とともに黙っていると、母さんがアイスコーヒーを持って来てくれた。


俺は母さんから受け取ると喋っていたせいで知らない内に喉が渇いていたようで勢い良くストローでアイスコーヒーを飲んだ。


「怜志、シルフィーちゃんにちゃんと生理用品の使い方教えなきゃダメじゃない」


「ぶっふぁ」


「汚い!」


「そんな事出来る訳ないだろ」


「お父さんは浮気相手に生理用品まで買ってあげてたのよ」


なんか話が親父に飛び火したようです。


「だからあれはアケミが風邪で寝込んでどうしょうも無くて仕方なく買った上げただけで」


「私が寝込んでたって貴方は私に何か買って来たこと有る?しかも飯は無いのかって私を介抱もしないじゃない」


「だから謝ってるじゃないか。二度としないと誓う」


「謝って済むなら弁護士も警察も要らないじゃない。本当に反省してるなら態度で示してよ。不貞腐れてテレビなんか見てないで」


俺と兄貴は久々に見る母さんの剣幕に小さい頃に怒られた記憶が蘇りなんか居た堪れなくなった。


「怜志は明日シルフィーちゃんに指輪を買う事、分かったわね。私もなんかイライラするからなんか買っちゃおうかしら」


「買って良いから好きなの選んで良いから」


「まだ反省が足らない様だね。自分は行かないつもりなんだ~」


「もちろん行かせて頂きますよ。ゴルフシューズも一緒に新しいの買おう」


仕事人間で亭主関白気取ってたのに母さんに捨てられたら、自分でご飯も炊けない親父は生きて行けないもんな。離婚されるのが嫌ならいい歳して浮気なんてしなきゃいいのに。


兄貴を見ると視線の先にはアロナさんが微笑んで居たが目は笑って無い。アロナさんは元イスラエルの軍人で格闘技も強いし非番の時でも自動小銃を手に持ち買い物に行っていた。本当の戦闘経験有る元軍人だ。


そんなアロナさんを妻に迎えた兄貴は浮気なんてしたらどうなるのか想像してるんだろうな。兄貴顔が引きつってるよ。


「それと怜志、シルフィーちゃんに料理とか日本での生活習慣を私が教えるから。それと早いうちに車の免許を取らせなさい」


「車の免許は危ないだろう?」


「なに言ってるの。免許取れば交通ルールも分かるし身分証明にもなるんだから」


「そうだな。料理とか教えてくれるのはありがたいけど、シルフィーは元王女だからあんまり厳しくしないでくれよ」


「あんた達じゃ無いんだから、あんな可愛いシルフィーちゃんには優しく教えてあげるわよ」


「俺は母さんに優しく教えて貰った覚えが無いような」


「そりゃ、うるせいババアなんて言う子に優しくしても逆効果でしょ?」


「俺そんな事言ったかな?兄貴じゃない?」


「2人ともよ。私は確り覚えてますからね」


なんで親父のせいで俺たちまで睨まれなきゃいけないんだよ。


「怜志が買って来たケーキ食べるから選んで、美味しそうよ」


「俺何でも良い、あとアイスコーヒーお替り」


「私も何でも良いぞ」


「俺も」


「私に運ばせるのか!自分で取りに来る」


ああ、帰りたい。


それでも普段は傍若無人の親父が大人しくしてる姿は痛快だった。


翌朝俺はシルフィーと和室に布団を引いて寝ていると、襖をちょっと開けて覗いてる麗華ちゃんと目が遭った。


「れいちおじちゃんとシルちゃんがお布団でちゅっちゅしてる」


「してないから!」


真っ赤な顔をしたシルフィーと並んで洗面台で歯を磨いていると後ろから視線を感じて、振り向くと麗華ちゃんが覗いてる。


どうやら麗華ちゃんはシルフィーの事が気に入ったらしく朝食の時もじーっと見つめて微笑み有っていた。

前に来た時は俺に構ってくれたのに俺は寂しいよ。また悪魔のおもちゃシルバニア〇ァミリーでも買ってあげるかな。しかしあのおもちゃは一体でも動物を買ってしまうと無限に買わなくてはいけなくなる悪魔のおもちゃだ。祖父母の居る子供にはハムスターを番で飼うより確実に増える。なんて恐ろしいおもちゃなんだ。


しっかり仲良くなったシルフィーと麗華ちゃんは手を繋ぎ外に出て、兄貴のアルファードと俺の車で買ったマンションに向かう。


しかしその前に一騒動が起きた。近くのコインパーキングで俺の車を見た兄貴と親父がアストンマーティンに気づき運転させろと言い出した。


「他にも車買うからその時貸してあげるよ」


「「本当か?」」


「別に貸すのは良いけど誰と乗るのかにもよるな」


「お母さんに決まってるだろう」


そんな一悶着が有りましたが、俺はシルフィーを助手席に乗せマンションに向かう。


「シルフィー大丈夫か?」


「何がですか?」


「いや~母さん達強引だろ。嫌じゃ無かった?」


「すっごい優しくってお母さん夏美さんもアロナさんも麗華ちゃんも皆大好きです」


「なんか嫌がらせされたら俺に言うんだよ」


「大丈夫ですよ。それにお母さんにはお料理習うんですから」


「そうか俺は別にシルフィーが料理覚えなくても良いぞ」


「嫌。私はいつかレイジさんと子供にお母さんの料理は美味しいねって言ってもらうんだもん」


「そっか、無理だけはするなよ」


「うん、ありがと」


俺達はマンションに着き自分の駐車場に車を止め、エレベーターで最上階を目指した。



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