436 Globalism(7)
■グローバリズムと移民(7)
第二次世界大戦後の憲法改正以後、日本政府は政教分離に厳しくなった。
背景には、第二次世界大戦の1940年前後に皇帝(大東天皇)や天皇と神道を政治的に結びつけたが、それを戦後になって憲法上でも解消した上で正しく再定義する必要があったからだ。
連動して、国民に対して間違った皇室観、宗教観の是正のための啓蒙も精力的に行われた。
これを「天皇の人間宣言」などと呼ぶ事もある。
加えて、過去に何度か新興宗教に苦しんだ事件があったので、そうした点でも政治と宗教を分ける法律は厳しくされた。
そして1995年の新興宗教による無差別テロの影響で、21世紀に入るまでに非常に厳しい法制度が追加された。
それに前後した、韓国で勃興した霊感商法などを行う悪質な新興宗教も、規制どころか入国自体を厳しく禁じたりもしている。
海外の新興宗教、カルトにも常に目を光らせるようになった。
この中で、特高(特別高等警察)と、その後継組織の公安(公安調査庁)が活躍した。
それ以前に、日本帝国内で西日本では仏教と神道が共存しているが、大東は神道だけという違いもある。特に問題もなく共存、並立はしているが、微妙な意識の違いがある。
宗教に対して、日本はそれなりにナーバスと言えた。
憲法上で宗教の自由は認められているが、前提条件として各宗教の教義や戒律よりも国が定めた法を守り政治に関わらない事が強く定められている。
法律上で、一定以上に宗教が関係する政党や政治団体が作れないばかりか、宗教自体が特定の政党を支持するのも難しい。
このため、他国のキリスト教系、イスラム教系の政党のような組織は政党以前に作ることもできない。
加えて日本の公安による、主に新興宗教に対する監視や規制が強かった。
また「他人に迷惑をかけない」、つまり「公共の福祉に反しない限り」という前提も重視され、実質的に宗教活動を制限している。
特に公共の施設や場所(公官庁施設は勿論、道路や公園、大規模商業施設など)での宗教的な活動を実質的に規制していた。
それぞれの宗教施設以外での宗教活動を行う際には、それが個人でも届出と許可が必要とされる。
昔から行われているような神事や村祭りでも手続きは必要だ。
他にも、自らの宗教の教義や戒律を他に強要してはいけないなど、幾つか法律上の制約があった。
勿論だが、強引な勧誘、改宗も禁じられている。20世紀の終盤頃からは、大学での一見宗教とは関係ないサークル活動にも強い監視の目が向けられている。
これらは主に新興宗教に対する法規制や対策だったが、全ての宗教に対しても適用された。
そして20世紀の間は、大きな問題もなかった。
一部の新興宗教が問題視されたくらいで、それも初期の段階で何らかの対策が行われた。
しかし21世紀に入る頃から、本来の宗教のあり方を理解していなかったり、都合の良い解釈をした宗教観を持つ特定の宗教勢力から、日本の政教分離政策、宗教政策は反発を受けるようになる。
つまりイスラム主義(原理主義)が、表現の自由、言論の自由、信教の自由、政教分離を認めない為だ。
しかもイスラム主義は、倫理観が現代日本とは大きく異なっている。
女性の教育を認めないなど何より男尊女卑が非常に強く、一夫多妻で女性側が幼い年齢でも婚姻を認めている場合がある。
他にも、女性を蔑視する向きが強く、公然と性犯罪を行うことすらある。
そして信じる者にとっては正しい事、当り前の事なので、罪の意識がない。何故罪に問われるのか不思議がるほどだ。
欧米が作り上げた現代社会と反発するのは当然だった。
だが本来のイスラム教は、十分な節度と柔軟性を持っている。国の法にも従う。そして、外に出ていく者が限られていていた20世紀の間は問題にならなかった。
だが、教えを自分たちに都合よく解釈している者たちが存在し、年々増加傾向にあり、他国に移住して問題や衝突を起こすようになった。
母国では問題を起こさなかったので、非常にタチが悪いと言える。
ある意味、先進国での宗教の自由を武器にしていた。
この世界的な動きに対して日本政府は、イスラム教圏の観光客、低賃金労働者を中心に慎重な姿勢を取るようになる。
入国に際して、イスラム教だと申告した者には一定のレクチャーを義務付けている。
イスラム主義者、イスラム系テロ組織は、現在は違っていたり、そのシンパであっても日本への入国禁止が基本で、犯罪歴のある者は全て入国禁止だった。
不法入国した場合は、逮捕の後に国際法で裁くか強制退去と定められている。
日本国内にいるイスラム主義への転向者も、同様の措置とされた。
またイスラム系に限らず、テロリストに対しては同様に対処している。
必然的に反論、反発は起きたが「郷に入っては郷に従うべきだ」と伝え、日本に来たり住んだりするのなら日本に合わせるのが前提条件だと殆ど取り合わなかった。
また、他国に来て自らの価値観を一方的に他者に強要するのも間違いだと指摘した。
さらには、日本に来て自身の事ばかり主張して日本を蔑ろにする事は、逆に日本への差別にあたるとまで言った。
そして日本に来て従わない場合、逮捕、強制退去など厳しい態度で当たった。
他の移民や在留者に対しても同様に、厳正に対処した。
そういった様々な日本の方針と対策は、一部では「排外主義」「民族差別」、さらには「宗教弾圧」とまで罵られた。そこまで言わなくとも、閉鎖的、排他的だと非難されがちだった。
だが日本政府は、方針を変えることはなかった。
日本は1980年代に世界一の富を持つ国となったので、外からの人の流れに様々な方面から強く対応しないと、経済移民、経済難民が濁流のように流れ込むと強く警戒していたからだ。
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・「引きこもりルート」なので、宗教的な事に対しても敢えて保守路線マシマシにしています。ご理解お願いします。




