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きまぐれ★プレートテクトニクス 〜太平洋を横断した陸塊「大東島」〜  作者: 扶桑かつみ
引きこもりルート・戦後編

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401 Cold_War_Age(1)

ここからは「小説家になろう」用に書き下ろしたものになります。

また「引きこもりルート」なので、意図して日本を「保守的」な流れにしていく予定です。

 ■第二次世界大戦後が終わって(1)


 第二次世界大戦は、世界に激変をもたらした。

 帝国主義の時代、世界中が一部の国や地域の植民地となっていた時代が、実質的に終わりを告げた。

 ヨーロッパ諸国は、多くの国が大きすぎる変化を余儀なくされた。中にはドイツのように戦争に敗北して多くの領土を失い、長期の占領を受けた国まである。

 ソ連、ドイツの近隣諸国も悲惨だった。


 そうした中、日本は運が良い国だった。

 結果的にだが、最も上手く立ち回ったと言える。

 国土は戦場とならず、戦争の痛手も非常に小さく、主要戦勝国だった。さらに戦争による外交関係の変化で国際関係も非常に良好となり、戦争特需で国力も大きく伸びた。

 第二次世界大戦の序盤に「日支戦争」を行ったが、戦場は全て当時の中華民国内だけだった。

 しかも第二次世界大戦中の激しい情勢の変化の中で、日支戦争の事後処理など多くを日本の思惑通りにできた。


 予想外だったのは、中華地域で大戦中から実質的に行われていた大規模な内戦によって、中国共産党が統一を果たした事だろう。

 しかし中華中央部は、第二次世界大戦中の日米の主に水面下の取り決めでアメリカの経済進出が決まっており、日本以上にアメリカが失望していた。


 日本としては、中華地域の中央での共産主義国家誕生によって満州国が西側全体で認められたので、終始決算的にはプラスとすら言えた。

 日本の侵略先だった満州は、共産主義勢力に打ち込まれた大きな楔となったのだ。さらにソ連が成立した頃に分離した極東共和国も、ソ連に対してアジア、太平洋の出口を塞ぐ栓となっていた。


 それ以外の日本の近隣だと、東太平洋の向こうにはアメリカ合衆国がある。アメリカとは、第二次世界大戦前はあまり良い関係ではなかった。

 だが、第二次世界大戦を共に戦ったので、今までと異なり友好国に変化した。共に共産主義を敵視する、いわば敵の敵は味方の状況でもあるが、味方は味方だ。

 その証拠とばかりに、1950年にはソ連、共産主義陣営と戦う為の「日米安全保障条約」が締結されている。


 また、大戦前と同様にソ連と国境を接するも、北の大地の辺境部なので大軍の展開は不可能だった。日ソ双方の暗黙の了解もあって、防衛負担はむしろ軽かった。

 ソ連としては、引き続き太平洋への出口は日本によって完全に閉ざされていたが、国力、軍事力の面から見れば余計な金と手間を省けえたので、実質的にはプラスの方が多かった。

 そしてそのソ連は、裏庭のアジア辺境よりもヨーロッパ正面の事が気がかりだった。


 第二次世界大戦の最後では、連合軍とソ連軍が握手した場所の多くがオーデル川とドナウ川。

 ソ連は首都ベルリンなどドイツ主要部には踏み込めず、工業国のチェコも得られなかった。ドナウ川の南にあるブルガリアも西側で、社会主義化したユーゴスラビアもやや中立的となった。


 ポーランド、ルーマニア、ハンガリー、スロバキア、ユーゴスラビア、アルバニアが東欧の東側陣営となる。

 軍事面で見ると、西側諸国に対する縦深もソ連基準では十分とは言えなかった。

 それなのにアメリカは、ドイツ全土に踏み込んできた。


 ソ連が率いる東側陣営の国の数も少なく、ソ連が傀儡政権を立てた旧清国西部は東トルキスタン人民共和国として正式に独立させている。

 1国程度では国の数が少ないので、一時は第二次世界大戦中に再び併合したバルト海諸国を再独立させようかと真剣に考えられたほどだった。



(※神の視点より:史実と比べると、東ドイツ、チェコ、ブルガリアが西側になる。スロバキアは東側で、東トルキスタンが独立しているが北朝鮮はない。)



 ■日本再編


 ・1945年統計の日本帝国(本国のみ)

・総人口 :約2億4000万人

・国民所得:約700億ドル

・一人当たり所得:約290ドル


・国土面積:

 大東島   :約69万平方キロメートル

 西日本列島 :約38万平方キロメートル

 樺太島   :約8万平方キロメートル

 北太平洋地域:約2万平方キロメートル

 西太平洋地域:若干

 荒須加   :約180万平方キロメートル(アレウト列島含む)

 北氷州   :約320万平方キロメートル(インドに匹敵する面積)


 ハワイ諸島 :約2万8000平方キロメートル


 合計:約622万平方キロメートル

 (世界の陸地の約4%。世界第5位)


※ハワイ(羽合)王国は日本の保護国。

※国連委任統治領として、ビスマーク諸島、西部太平洋地域、南シナ海の小さな諸島と環礁群がある。


・関東州など租借地がある。

・朝鮮半島は1948年に保護国から独立復帰。

・満州国は日本の影響が非常に強いが独立国。


・国力(=国民所得)はアメリカの3分の1程度。

・世界第二位の国力、第三位の軍事力を保有。

・人口は先進国列強で最も多い。


・国土は北太平洋の6割程度に広がる。植民地(国連委任統治領含む)を含むと北太平洋のほぼ全域となる。

・広大な海域を含めると、全地球の8分の1が勢力圏。

・日付変更線を跨ぐ世界で唯一の国。


・国内時差は最大で7時間。

・大半の日本人は西日本時間と大東時間(時差1時間)。

・南北も北極圏から赤道まで北半球に広がる。


(※国土面積が世界第5位=ソロシア、カナダ、ブラジル、アメリカ、日本、中国、インドの順)


(神の視点より:日本列島の約16倍の面積。ロシア約4分の1、アメリカは2割、中国4割くらい史実より面積が小さい。)



挿絵(By みてみん)


1945年頃の日本を中心とした北太平洋地域


 

 以上が、戦後すぐの日本の概要になる。

 一人当たり所得では西欧諸国に並ぶほどとなったが、アメリカはまだ遠く彼方だった。だが人口が多い事もあり、世界第二の大国に浮上した。

 そして第二次世界大戦を終えた日本は、戦争による強引な変化に乗じる形で、19世紀に制定された古びた制度、憲法などの大幅な改革を実施した。

 

 一番の目的は、第二次世界大戦での国民への褒賞。

 二番目が、明治政府以来の国の制度の旧態依然化への対応。

 三番目が、陸海軍だけでは組織面で時代に対応できないので、国防組織と戦力の大幅な改変。


 三番目は、第二次世界大戦での教訓を受けての事であり、同時に第二次世界大戦後の大幅な軍縮による兵力削減の対応でもあった。

 国民への褒賞が政治改革や制度改革なのは、戦争の勝利に伴う国民への褒章として物質的なものを国が与えられなかったからだ。


 ドイツは崩壊し国土も荒廃したので、賠償金を得るどころではなかった。

 僅かに得られた技術、特許、工業製品などは、戦争で最も散財したアメリカとソ連、それにドイツに無茶苦茶にされたヨーロッパ各国に回され、日本が得たのは名誉と称賛が大半だった。


 もっとも日本政府は、国家として国際政治上での駆け引きによる利益を随分と得ていた。

 「日支戦争」での日本の政治的失点は、滅びた中華民国が準枢軸陣営だった事と第二次世界大戦の主要戦勝国という立場により無かったことにされた。

 満州国も、存在を完全に認められるようになった。


 他にも、新たに設立された国際連合には常任理事国として準備段階から加わり、米英を中心とする自由貿易体制にも入り込めた。

 要するに、第二次世界大戦前の日本が欲しかったものの大半を手に入れた事になる。

 戦争の褒賞としては十分と言えるだろう。


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