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キノコ
心が手にあるなら
君と手を繋ごう
心が胸にあるなら
君を抱きしめて
心が唇にあるなら
君に口づけよう
心が瞳にあるなら
君と見つめ合い
心が頭にあるなら
君と額をくっつけて
心が言葉にあるなら
何度も
何度も
愛の言葉を重ね合い
それでも
それでも心は
けして一つにはなれなくて
だからせめて
せめて少しでも傍に
君を感じていたい
君を思うとき
エメラルドグリーンの海が
思い浮かぶ
君に逢いたいと
なぜだか月が語りかけてる
そんな気がして
あぁ、そうだね
きっと君はいつだって
僕の傍にいて
ピアノの奏でる
美しい旋律にも
南風に揺れる
ハマヒルガオにも
一人で食べてる
このキノコ料理だって
きっと君なら
「少し辛いね」
って言うんだろうね
今夜もまた
君を想い
また夢の中で……
いつでも君は
僕の心の傍にいる




