95/168
かさぶた
ちょっとした
言葉のナイフで
心が切りつけられる
不用意で
軽はずみな言葉一つで
心が傷つけられる
中途半端な思いつき
自己顕示の気まぐれ
そんなくだらないことでも
傷つけられてしまう
……心ってものは
傷口から
滴る血の色は
深く赤く
暗い闇の如く
胸の内へと拡がっていく
あゝ傷つけられるのは
ほんの一瞬のことなのに
血がとまり
かさぶたが取れ
もう一度治るには
なんて時間がかかるのだろう
もう一度
全く元通りに戻るだろうか
なんて愚かで
非生産的なことだろう
だからきっと
相手を思いやることが
人を傷つけないことは
創造的な行いなのだと思う
私も優しいあなたのように
創造的でありたいと
そう願った……




