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ハニー君がいなければ
これまで生きてきて
誰も傷つけずに
生きてきたわけじゃない
それほど聖人君主と
自惚れてもいない
今まで生きてきて
誰にも負けずに
生きてこられたわけでもない
それなりに負けず嫌い
でもそれほど強くもない
この眼で見えないもの
物差しや測りで測れないもの
この世界にはある
きっとある。
優しさとか
思いやりとか
幸せとかね
ねぇ、もしこれが夢で
目が覚めたらすべて
消えてしまうとしたら
君のその
唇が動いて伝えようとした
その言葉も
消えてしまうとしたら
今、僕が生きている
これまで僕が生きてきた
意味なんてあるのかな?
ハニー君がいなければ
この世界に何の意味があるだろう
愛してる。
目に見えないものを
カタチにする魔法
きっと
傷つき傷つけられてきた
この無意味な世界に
僕が存在する
理由をくれた魔法




