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詩集 詩箱  作者: TiLA
77/168

あなたに触れたい

あなたに触れたい

えっ? なにがって?


あなたに触れたい

心に触れたいのです


優しさには

もう触れたから


いっぱい

いっぱい


もう触れさせてもらえたから


今、あなたの

あなたの心に


今度は私が

優しく触れたいのです


もしあなたが

一人の夜に

寂しくしていたなら


もしあなたが

心の穴に

胸を痛めていたなら


傍にいて

何も言わず


ただ心で

心を埋めてあげたい


だから

今、だから


あなたに触れたい


その手に

その指に


その頬に

その(こぼ)れる涙に


何かを言おうとする

その唇に


あなたの心に

触れたいのです


その心の名前を

私はまだ知らないけれど


心であなたに

触れさせてもらえたなら


きっと自然に

言葉が(あふ)れて


その名前を知ることでしょう




それは

ただの名前だけど


名前があなたに

触れるわけじゃないけれど


その心の名前を

人は誰も

知りたいと願うのでしょう


だから

だから、今


あなたに触れたい


あなたに……


心に……









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