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詩集 詩箱  作者: TiLA
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パピヨンとバビロン

花に蝶がとまっている

素敵な光景


でも、それが

モンシロ蝶かアゲハ蝶か


想像したビジュアルは

人によってそれぞれ違う


何それ

プロタゴラスの相対主義の話?


いや、今日はソシュールの

シニフィアンとシニフィエの話




フランス語では蝶も蛾もパピヨン


だからパピヨンが飛んでいると言えば

蝶じゃなく蛾を連想するかもしれない


日本にもフランスにも

同じ昆虫のいる世界が存在する


しかしフランス社会には

いわゆる日本社会での

蝶と蛾の区別が存在しない


でもフランスでは

肘掛けのない椅子をchaiseといい、

ひじ掛けのある椅子をfauteuilという


日本ではどっちも椅子だけど


チョウという発音が

シニフィアンなら

それに結び付いて頭に連想する

ひらひら舞う虫のイメージが

シニフィエ


発音とその意味が結びついた言葉


でもその分類は言語によって異なる


ちなみに万物の祖アリストテレスが

自然から動物や植物を区別した

その前から動物も植物も生きてたけど


サンゴは動物みたいだけど


僕たちは同じ地球で暮らしているけど

暮らしてきたけど


言葉を使って世界の区切り方を変えてきた

作り変えてきた


社会の変容や進歩によって

言葉も変わり、新語も生まれてきた




イラっとする

そんな表現の言葉がない時代から

そんな概念はあったのかもしれない


でも、そんな言葉ができてから

僕らはその感情を区別するようになった

それは誰かの偶然による思いつきだったのかな

それとも社会の必然だったのかな



話を戻すと

花に蝶がとまっている

素敵な光景


たぶんその蝶がモンシロ蝶でも

アゲハ蝶でもオオムラサキでも


僕らはそれが

蝶のシニフィエが

例え一緒じゃなかったとしても


それが素敵な光景だと思えたんだろうね


きっと蝶の種類に貴賤を持たず

美しいと感じられる価値観なんだろうね




ちなみに日本語には兄・姉・弟・妹があるが

英語ではブラザーとシスターしかなく

韓国語にはトンセン(弟や妹)という言葉がある




定着した言葉たちが

僕らの普段暮らしている社会を

その奥にある構造や概念を

隠れた意識を

示しているのかもしれない



バビロン

かつて世界はひとつの言語だったという




ちなみに現在、世界には6900ぐらいの言語があるといわれているそうです。

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