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詩集 詩箱  作者: TiLA
46/168

人生ままならなくても

 

 朝の風が

 冷たくなった


 マフラーには早いが

 ネクタイには戻った


 日陰を選んで歩いていたが

 日向を探すようになった


 だけど影が長くなって

 人生ままならないものだと嘲笑(わら)う。


 ダイエットを決意した日に限って

 飲み会に誘われる


 誘われなければ

 疎外感で落ち込む


 長生きしたいと

 常日頃願っていながら


 世界一の長寿国に生まれつつ

 その有り難みに気づかないでいる


 好きな人に応えてもらえなくて

 胸が苦しくて張り裂けそうでいる


 自分を好いてくれる人には

 さっぱり気づかないでいる


 人生はそれがいつまで続くのか

 ゴールの見えないマラソンのようで


 走って、走って

 時には歩いて


 とにかく前に

 前に前に進んで


 そんな時は忙しくてきっと大変だ


 だけど、ゆっくり歩いたり

 歩みをやめると


 大きな時の流れに呑まれて

 やっぱり前へ前へと押しやられる


 そんな時は楽だけど

 きっと退屈だ


 まったく

 人生ままならないね


 忙しいのは大変だけど

 退屈なのは虚しいよね


 貧乏暇なしとは言うけれど

 心まで貧しいわけじゃないよね


 ちょっとお金は必要だけど

 お金で幸せが買えるわけでもないよね



「虹を見たければ、雨を我慢しなくちゃね」

「暗闇の中だから、星が見えるんだよ」



 朝の風が

 頬を掠めた


 コートの前を

 少し押さえた


 僕は日陰よりも

 日向を歩きたいと思った




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― 新着の感想 ―
[良い点] 人生ままならないけれど 明日も明後日も 頑張って生きていきます^_^
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