160/168
言葉のない世界
どんよりとした空が
夏の終わりを伝えている
何も言わないで
川面を舞う番の白鷺が
伝え合っている
言葉もなく
風の匂い
靡く秋草の
我もまた
その中の一部で
言葉のない世界に生まれ
言葉を覚え
世界を切り分け
自分なりの世界をつくり
されど言葉のない
こんな多くに伝えられ
伝え合っている
我もまた
その中の一部で
その在りようで
いったい何を
伝えているのだろう
我もまた
たしかにそこに居る
感じ取る
心が在るから
言葉のない世界で
何を伝えられるだろう
白鷺が飛び立つ
曇天の空
天使のはしごが
語りかける
言葉のない世界
お読みくださり有難うございます。
皆さんのポイント(★・ブクマ)、いいね! が励みになります。
よろしくお願いいたします。




